- サラリーマン人生は、つまらない
- 僕たちは所詮サラリーマンだからね
- サラリーマンだから、仕事のやりがいなんてないよ
このように、サラリーマンであることをつまらない、やりがいのないものだという感じのことを言う人をよく見かけます。
しかし、私も過去15年間サラリーマンをやっていましたが、その経験から考えても、必ずしもサラリーマンがつまらない仕事とは思いませんでした。
この記事では、そのあたりを掘り下げて書いていきます。
ただ、どのような選択をするにせよ、明るい未来にしたいなら、「自分のいる環境か」か「自分の行動」のどちらかを変えることは必須です。
サラリーマンをつまらないと感じる理由
そもそも、なぜサラリーマンはつまらないと感じてしまうのでしょうか。
3つの理由が考えられます。
- 会社にはクソ仕事が蔓延しているから
- 会社の歯車だと感じるから
- 自分の意思が仕事に反映されないと感じるから
会社にはクソ仕事が蔓延しているから
1つ目の理由が、会社にはクソ仕事が蔓延しているからです。
クソ仕事とは、随分な言い方ですが、イギリスの社会人類学者デヴィッド・グレーバーの著書『ブルシットジョブ・クソどうでもいい仕事の理論』で定義されていることです。
実際に次のようなことは、ないでしょうか。
この仕事、やる意味あるんですか?
とにかく上から言われているんだから、やって欲しい
このような状況は、サラリーマンならよく遭遇する光景ですが、このようなやる意義が明確でない仕事がクソ仕事です。
会社の歯車だと感じるから
会社の歯車になっていると感じることも理由として大きいでしょう。
具体的に書くと、以下のようなことでしょう。
- 上司から言われたことが仕事になっている
- 自分の仕事が、プロジェクト全体・会社全体にどう貢献できているか見えない
- 会社の名前で仕事が進んでいるので、自分の名前が表に出ることがない
これは、大組織になればなるほど顕著だと思います。
自分の意思が仕事に反映されないと感じるから
歯車から一歩抜け出そうとして、自分の意思を上司や会社にぶつけることも可能です。
しかし、勇気を出して、そうしたアクションをとっても意思が反映されないことがよくあります。
- 上司や会社の考えている方針と異なる
- 組織の都合上できない
- 会社のまわりの人が理解してくれない
このような理由も背景にあるのか、意思をぶつけてみても空振りに終わってしまうこともあるでしょう。
このように、クソ仕事を組織の歯車として実行して、自分の意思を反映させたくてもできないことが続くと、次第にサラリーマンはつまらないものだと感じてしまうのも仕方ありません。
独立したからこそわかるサラリーマンのメリット
サラリーマンはつまらないと思ってしまうのは理解できる一方で、独立・起業してから気づいたのが、サラリーマンには大きなメリットがあることです。
たとえば、以下のようなメリットがあります。
- 毎月決まった日に給料が支払われる
- 税金や保険に関してあまり考えなくてすむ
- 住宅ローンや賃貸契約の審査が比較的簡単に通る
サラリーマンだと、これらは当たり前のように享受できていますが、独立した身からすると、ものすごく恵まれたことです。
サラリーマンだと毎月末に決まった給料が入ってきますが、独立すると自分で稼がないと給料を払えません。
もし、会社の稼ぎがゼロになれば、当然給料もゼロです。
税金や保険も会社が全て源泉徴収して面倒見てくれるので、自分で特別何かをしなくても大丈夫です。
住宅ローンは組んでもらうことすら難しいですし、賃貸契約もマンションによっては審査に落ちる可能性もあります。
実は、サラリーマンの人達が、普段何気なくやってもらっていることは、独立した身からすると実に優遇されていることなのです。
サラリーマンでもやりがいを見い出す方法
サラリーマンをつまらないと感じている人は、その状況をどうやって解消できるでしょうか。
ここでは、サラリーマンでいるという状況と、サラリーマンを辞めるという状況を対立状況と考えて、その解消方法を考えてみます。
関連記事:【対立解消図】TOCクラウドとは【対立を両立に変える思考法】活用事例
人によって異なると思いますが、一例として以下のような要求(手段)、要望(手段によって実現したいこと)、目的の構図を考えてみます。
対立解消図では、この要望と要求をクロスさせることで、解決策を探ります。
この構図から、サラリーマンをつまらない状況にしないためには、安定収入が得られるサラリーマンでありながら、やりがいを持てる方法を探してみることがまず第一歩でしょう。
そのアイデアとして、以下の3つを挙げます。
- 組織方針を逸脱しない範囲でやりたいことを探す
- 組織外の活動に活路を見い出す(課外活動や副業など)
- 転職エージェントに会ってみる
組織方針を逸脱しない範囲でやりたいことを探す
会社組織である以上、組織方針は大切です。
組織の構成員であるサラリーマンが組織方針と異なることをやりすぎると、会社組織として成立しなくなってしまいます。
しかし、組織方針の中でもやり方を工夫をすることで、自分のやりたいこと、やりがいを見いだせる方法はあります。
ひとつの方法は組織方針を狭く捉えすぎないようにすることです。
たとえば、あなたの所属が「A事業部 技術部 X商品技術課」だとしましょう。
このとき、当然あなたはX商品技術課の方針に従って仕事をすることが要求されます。
しかし、あなたは同時に技術部にもA事業部にも所属しているので、技術部やA事業部の方針に従って仕事をすることも組織への貢献にはなります。
もし、X商品技術課の中で、あなたのやりがいを見いだせる仕事が少ないのだとしたら、自分の仕事を技術部への貢献とか、X商品技術課への貢献と再定義してみてはどうでしょうか。
このように範囲を広く捉えると、やりたいことが見つかる可能性は増えていきます。
私も15年のサラリーマン経験の中で、このように自分の仕事をより上位の組織方針と合うように再定義しながら、所属組織の枠を超えてさまざまな提案をしてきました。
それが異動、昇格、海外赴任という形で反映されて、私自身はやりがいを失わずにサラリーマン時代を送ることができました。
組織外の活動に活路を見い出す
組織外の活動に活路を見い出す方法には、大きく2つあります。
組織の枠を超えた業務外活動をする
たとえば、組織の枠を超えて有志を募って、業務時間外に会社への提言をまとめるという活動が考えられます。
あるいは、社外の人間ともネットワークを作って、意見交換しながら、組織の中で自分のやりがいを見つけることを模索する方法もあります。
実は、そのような事例が書かれている本がすでにあります。以下の「仕事はもっと楽しくできる」です。
サラリーマンが企業に所属しながら、課題活動を通じて成功している事例が多数掲載されています。
こうした本に書かれている活動事例から、自分なりにやりがいを見い出す方法を考えしてもよいでしょう。
また、こうした活動を通じてネットワークを持っておくと、自分がサラリーマンを辞めたときにも大変役立ちます。
副業をしてみる
サラリーマンの仕事をほどほどにして、副業に励むという方もいます。
これだと、サラリーマンという恵まれた待遇を捨てずに、自分のやりたいことをじっくり探すことができます。
もし副業が軌道に乗せられれば、その副業を本業として独立する方法も出てきます。
ただし、副業も手軽ではないです。
特に最初のうちは、売上がほぼゼロに近い状態が続くので、地道な売上獲得の作業を覚悟する必要があります。(これも15年の副業経験から体感したことです)
最近だと、在宅のままサラリーマンとしての知見を生かして副業できるプラットフォームも多いので、登録してみるのもよいでしょう。
関連記事:在宅勤務のスキマにできる5つの副業
「自分には副業ができるだけのスキルがない」
そのように思うなら、新たなスキルを身につけるのも1つの手です。
未経験からでもスキルを身につけることで、副業への道が広がっていきます。
転職エージェントに会ってみる
実は、サラリーマンがつまらないのではなく、今の会社がつまらないだけかもしれません。
そう考えると、サラリーマンのメリットを手放さずに、やりがいを見い出せる可能性を探る手段として、転職エージェントに相談する方法があります。
転職エージェントへの相談なんて面倒だなあ。。。
こんなふうに思ってしまがちですが、つまらないと思ってしまう理由を明確にしておくことは大事です。
明確しないまま放置しておくと、いつまで経っても、何となく「つまらないなあ」と思ったままズルズルと貴重な時間を使ってしまうからです。
転職エージェントへの相談は、時間を多少とられるデメリットはあるものの、選択肢を広げられる可能性を考えれば、ものすごく小さな投資ですし、何より金銭的な負担が一切ありません。
最近では、オンライン面談も増えているので、スキマ時間を活用しやすくなっています。
今すぐ転職する意思はなくても、エージェントは親身に相談に乗ってくれますよ。
関連記事:【情報収集だけでも可】転職サイト・エージェントに登録する3つのメリット
独立は安易におすすめしない
もちろん、いきなりサラリーマンを辞めて独立する方法もあります。
しかし、サラリーマンで主体的にやりがいを見いだせない人が、独立という究極の主体性が求められる状態で活躍できるとは思えません。(もちろん、いくつも例外があるのは承知していますが)
試しに、以下のツイートとリンク先の記事を読んでみて、独立をするのに躊躇するようでしたら、安易にサラリーマンを辞めないほうがよいでしょう。
起業をすると、誰も褒めてくれず、誰も叱ってくれず、愚痴を言う相手もいなくて、仕事の始まりとか終わりの時間も曖昧で、将来の保証もなくて、ただただ結果と向き合っていくことになります。
その中で淡々とやれる人には向いていますが、そうでない人には決しておすすめできない仕事だと思います。
— セーシン (@n_spirit2004) June 3, 2019
関連記事:サラリーマンを辞めて起業をする前に考えるべき3つのこと
まとめ
冒頭に書いたように、サラリーマンの待遇は大変恵まれているので、つまらないからと言って安易に辞めることだけは避けた方がよいです。
まずは会社に留まりながらできることを探してみる、次にサラリーマンでいながらできることを探してみる。
このようなスタンスで、少しずつ自分のやりがいが見いだせるものを探していくのがよいでしょう。
- サラリーマンがつまらないと感じる理由として、クソ仕事が多い、会社の歯車と感じてしまう、仕事に自分の意思を反映できないことが大きい。
- サラリーマンでいると、なかなか気づきにくいが、毎月安定収入があり、社会的な身分も保証されていることはサラリーマンの大きなメリット。
- サラリーマンでいる、サラリーマンを辞めるという対立構図を考えてみると、実はサラリーマンでいながらにして、やりがいを見出す方法は見えてくる。
- その方法として、組織方針を逸脱しない範囲でやりたいことを探す、組織外の活動に活路を見い出す(有志の活動や副業など)、転職エージェントと会うなどがある。
- 独立する方法もあるが、安易に独立することはおすすめしない。