今年のゴールデンウィークは、外出自粛の中、「今後の社会はどうなっていくのだろう?」と悶々と考えながら過ごす人も多いかと思います。
そこで今回は、おすすめのビジネス書の中から大きく3つのカテゴリーに分けて、ゴールデンウィークにおすすめ本を紹介していきます。
- アフターコロナの働き方を考える本 3選
- 物事の本質を考えるための本 4選
- ビジネスパーソンにおすすめしたい漫画 3選
アフターコロナの働き方を考える本 3選
未曾有の危機に陥っているときこそ、その危機が去った後のことを冷静に考えておくべきでしょう。
「アフターコロナ」はいつ来るのか、あるいは当分の間は「ウィズコロナ」ではないのか、などさまざまな議論があります。
しかし、世の中に起きつつあった可逆な変化が、今回のウイルス危機をきっかけに加速していくのは間違いありません。
- 在宅勤務が増える
- 出張が減る
- オンラインの活用の幅が広がる
そうなると、世の中の変化を先取りして書かれた本の内容が、現実になる日が早くなるという言い方もできます。
これまで読んだ本の中で、近い将来を先取りしていると感じたのは、以下の3冊です。
- 未来の働き方を考えよう
- ニュータイプの時代
- シン・ニホン
未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる
2015年に発刊された本ですが、今読み直しても十分に示唆を得られる内容だと思っています。
本書の前半で「ITが産業革命に匹敵する変化をもたらす」ことで、ますます大きな変化が起き、今のスキルが10年後には使えないスキルになっているかもしれないと書かれています。
発刊から5年後の2020年に起きたのが、今回のウイルス危機。
今回のウイルス危機をきっかけにリモートワークが進むば進むほど、正社員とフリーランスの境目は曖昧になっていくでしょうし、ITリテラシーも含めて能力のある人が複数の組織から多くの仕事をとれる時代になってくると思います。
そのような時代を見越したように、本書には「稼ぐ力の探求」の重要性や方法論が書かれているので、これからの働き方を考えたい方におすすめしたい一冊です。
本書の詳細レビューを以下の記事に書きました。
ニュータイプの時代
元電通、BCGの山口周氏が、これからの時代で重視される考え方、働き方についてまとめた一冊です。
この本を読むと「なぜ仕事をつまらないと感じるのか?」という問いに対する答えが見事に書かれています。
- 世の中にはクソ仕事が蔓延しているから
- 予測、経験、最適化が無価値になるから
- どうやって?よりも、何を?なぜ?が重視されるから
- 問題を解くより発見・提起することが重要になるから
- 組織間を越境して動く時代になるから
実は、これらは全てアフターコロナに関係してくる問題ばかりなのです。
- 世の中にはクソ仕事が蔓延しているから ⇒ 在宅勤務等の効率化により、クソ仕事が淘汰される(例:挨拶まわり、ハンコ文化等)
- 予測、経験、最適化が無価値になるから ⇒ アフターコロナの世界を過去の経験値だけで乗り切ることはできない
- どうやって?より何を?なぜ?が重視されるから ⇒ リモートでの仕事がメインになると、リーダーが「なぜ、そうするのか?」を発信することがより求められる
- 問題を解くより発見・提起することが重要になるから ⇒ 人や組織が抱える新たな課題を発見し、業態をシフトさせていく必要が出てくる
- 組織間を越境して動く時代になるから ⇒ リモートメインだと1組織に属さず、複数の組織にまたがって仕事ができる
アフターコロナの働き方を先取りする人材を目指すなら、一読しておくべき一冊です。
本書の詳細レビューを以下の記事に書きました。
シン・ニホン
「イシューからはじめよ」の著書で有名な元マッキンゼーコンサルタントで現ヤフーCSOの安宅和人(あたかかずと)氏が、これからの日本を考えるためにまとめた一冊です。
安宅和人氏は、内閣府の委員会に参画する委員として、イノベーションに関するさまざまな提言をしてきた方で、その提言内容を一冊にまとめて世に出したのが本書です。
私も以前、安宅氏の講演を聞いたことがありますが、膨大なデータ量・引用を元にしたさまざまな考察、示唆に富んだ講演内容で、2時間の講演が一瞬に感じるほど圧倒された記憶があります。
本書には、そうした講演で話をされている内容も含めた、未来の日本に向けた提言が多数盛り込まれており、とても読み応えのある内容になっています。
物事の本質を考えるための本 4選
家でじっと耐える期間だからこそ、改めて物事の本質に迫るというのもおすすめです。
物事の本質に迫るための方法は大きく2つあります。
- 歴史を学ぶ
- 理論(原理原則)を学ぶ
歴史は、人間の過去やってきた行動の記録なので、その行動記録から人間の本質や仕事の本質を見出すことができます。
一方で、原理原則というのは不変の定理・法則とも言えて、そこに迫ることで、やはり物事の本質や行動原理がわかってきます。
ここで紹介したいのは、以下の4冊です。
- 経済学の名著50冊が1冊でざっと学べる
- 一度読んだら絶対に忘れない日本史の教科書
- 若い読者に贈る美しい生物学講義
- ザ・チョイス
経済学の名著50冊が1冊でざっと学べる
タイトルのとおり、経済学の名著が1冊でざっくり学べるものです。
人間が生活する以上、経済活動が無くなることはないので、経済学を学んだおいて損することはありません。
しかし、原書を1冊ずつ読んでいくのは、労力のかかることなので、こうしたまとめられた本が重宝するわけです。(大量のダンボールに入れて届けられた経済学の本を全て紐解いて、1冊の本にまとめた著者には感謝しかないです)
教養としての、またはビジネスの場面で活用する原理原則としての経済学を学ぶのにうってつけの1冊です。
一度読んだら絶対に忘れない日本史の教科書
人気Youtubeチャンネル「Historia Mundi」で歴史を教える山崎氏が、従来の年代や年号を覚える日本史ではなく、時代ごとの政権担当者にフォーカスをあてながら再編した日本史の教科書です。
日本では、過去の歴史でどのように政権担当者が移行していったのか?その時代背景には何があったのか?がストーリーとしてまとめられています。
ビジネスパーソンにとっては、政権担当者という組織のトップの視点で語られる歴史は、従来までの年代・年号をベースにした細切れにも感じる歴史より格段にわかりやすいこと間違いなしです。
ちなみに、こちらのシリーズは世界史編もあります。
若い読者に贈る美しい生物学講義
生物の定義から、分類、進化の歴史等をわかりやすく1冊にまとめた本です。
生物が進化を果たす上で重要な役割を担ってきた「自然選択」がなぜ起こるのか?をロボットの例に置き換えた簡単に解説。
人間がなぜ直立二足歩行になったのか?ということも、自然選択をベースにして推論しています。
大きな変化に直面している今、進化していく人間になるのか、淘汰されていく人間になるのか。
自然選択を学ぶことで、解決のヒントが出てくるかもしれません。
ザ・チョイス
TOC理論を提唱したことで有名なエリヤフ・ゴールドラット氏によって記された本です。
本書の内容は、後半に書かれている次の6つに集約されています。
- 人は善良である
- 対立は全て取り除ける
- どんなに複雑でも実はシンプル
- どんな状況でも著しく改善できる
- どんな人でも充実した人生を達成できる
- 常にウィンウィンの解決策がある
エリヤフ・ゴールドラット氏と、その娘エフラットの対話をベースに書かれた本書は、「仕事がうまくいかない」、「仕事でもっと成果を出したい」と考える全てのビジネスパーソンにおすすめしたい一冊です。
本書の詳細レビューを以下の記事に書きました。
ビジネスパーソンにおすすめしたい漫画 3選
ここまで紹介した7冊はどれも素晴らしいものばかりですが、あまり堅苦しい話ばかりだと退屈になってしまうかもしれません。
そこで、最後に空想の世界に浸りながら、サクサク読み進められる漫画を紹介します。
せっかく家にいる時間の長い長期休暇、この機会にまとめ買いして一気に読み切ってしまうのもアリでしょう。
私が考えるビジネスシーンにおいても役立つ漫画は以下の3つです。
- インベスターZ
- エンゼルバンク
- カイジ
インベスターZ
豊富な取材を元に、ビジネスパーソン向けの漫画を描くことで知られる三田紀房氏の描いた投資を題材にした物語です。
学費がタダという超進学校の高校にトップ成績で入学した主人公が、入学初日に強制的に入部を義務付けられたのが「投資部」。
実はこの学校、投資部による資産運用によって経費を賄っていたのです。
投資の素人である主人公は、投資部での活動を通じて、投資や市場経済を学んでいき、その才能を開花させていきます。
そして、物語の後半では、主人公が学園の投資部の過去と深く関わる背景の持ち主であったことが明らかになっていきます。
投資とは何か?を基礎から知りたい方にはおすすめしたいシリーズです。
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エンゼルバンク
インベスターZと同じく三田紀房氏が描いたビジネスパーソン向けの漫画です。
高校教師から転職エージェントに転身した主人公の女性が、一風変わった同僚や求職者たちと関わりながら、仕事やお金の法則を習得していく物語です。
著者ならではの視点で日本の問題にも切り込んでいます。
- まず何事も疑え、会社員ならまず会社だ
- 欧米は「仕事ありき」、日本は「人ありき」
- 転職成功のポイントは、自分の事業計画を考えること
- 給料は仕事のハードさではなく、市場の相場によって決まる
等々、読者の心にグサッと切り込む描写が多数。
仕事やお金をいつもとは違った観点で捉えてみたい方におすすめします。
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カイジ
借金を抱えながら堕落した生活を送っていた主人公の伊藤開司(いとうかいじ)が、借金を返すために過酷な勝負に挑んでいく物語です。
勝負をしていく中で、手練手管の相手に何度も騙されて窮地に陥りながらも、必勝の手をひねり出しながら逆転していく。
そんな手に汗握る展開が魅力の漫画です。
このカイジで描かれる名言・名シーンの中には、ビジネスパーソンとしても大変参考になる描写がいくつもあります。
複数シリーズある中では、ギャンブル船「エスポワール」での死闘と、黒幕の右腕である利根川との騙し合いを描く1作目「賭博黙示録」、地下炭鉱からの脱出と、パチンコ台「沼」での駆け引きを描く2作目「賭博破戒録」から読み始めるのがおすすめです。
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以上、このゴールデンウィークにおすすめする本10選でした。
なお、アマゾンオーディブル(Audible)なら、本を音声で聞けるので、移動時間や車を運転している時間を有効に活用できます。
30日間は無料で体験できるので、ハンズフリーで本を聞く感覚をぜひ味わってみてください。(もちろん、気に入らなければ、無料期間中に退会することもできます。)
その他のおすすめ書籍はこちらで紹介しています
せっかく時間もあるので、読んだ本をアウトプットすることにも挑戦してみましょう。
本からの学びが何倍にもなります。