この記事では、おすすめのビジネス書の中から経営戦略・戦略思考に関するおすすめの本17冊を紹介していきます。
▼この記事で紹介している本▼
こんな人におすすめ
- 戦略的に考える力を養いたい
- 戦略を考える上での定石を学びたい
- 競合に勝つための方法論を知りたい
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戦略策定プロセスを描いた6冊
まずは戦略策定のプロセスを描いた6冊です。
企業参謀 戦略思考とは何か
戦略思考における名著を何冊も世に出してきた大前研一氏が書いた処女作です。
本書は経営戦略、戦略思考の古典とも言える一冊で、30年以上前に書かれたにもかかわらず内容は全く陳腐化していないのがすごいところです。
中期計画の立案ステップ、製品市場戦略の立案ステップの他、競争優位の構築の仕方を3種類紹介。
競争優位の構築は、KFSによるもの、相対的なポジションによるもの、新機軸によるものという3種類を紹介していますが、これらは現代でも経営戦略の定石として使われています。
その他の大前研一氏の著書は、以下の記事にまとめています。
いずれも古典的名著と呼べるものばかりです。
事業戦略のレシピ
本書で事業戦略の立案から各戦術への落とし込みまでのプロセスを描いた本、戦略立案のプロセスを次のように分解しています。
1. 現状分析
2. 戦略オプション策定
3. オプション評価・絞込み
4. 計画・アクションへの落とし込み
プロセスに沿った必要最小限のフレームワーク紹介にとどめているところが読みやすいところでしょう。また、3.評価・絞込み、4.計画・アクションといったところまで言及しており、より実務的な内容になっています。
本書が紹介している戦略立案プロセスに、必要に応じて「戦略とは何か」で紹介されているフレームワークを補完することで、戦略立案の心強い味方になると思います。
経営者、事業部長などのエグゼクティブはもちろん、経営企画や新規事業企画を担当する方も一度は読んでおきたい本だと思います。
戦略策定概論
本書は、大きく以下5つのポイントでまとめられています。
・戦略の定義
・分析のためのフレームワーク
・PMS(Product Market Strategy)の策定プロセス
・マーケティング戦略
・それらを支える機能別戦略(技術、生産、販売など)
各ポイントが、フレームワークできっちり整理されているのが分かりやすいです。
初版は95年とやや古いですが、内容は今でも色あせていない普遍的なものが多く、これからも十分活用できる内容です。「事業戦略のレシピ」とあわせて読むことで、戦略立案のためのツールに関する理解がぐっと深まると思います。
戦略力を高める
戦略×仮説を航海で目的地で辿り着くための海図に例え、海図を作るのに必要な以下の4つの力とその海図の作り方を紹介しています。
1.先を読む力
将来を予測する力のことです。さまざまな立場の人を一人称に置き換えて想像力を働かせたり、シンプルな構造で考えることが重要であると書かれています。
2.あるべき姿を描く力
あるべき姿を考える場合は、近い将来だけでなく遠い未来を、近隣のことだけでなく地球規模で考えることが重要であると記されています。
3.見つめ直す力
自社を今の枠組みやポジションだけで考えずに、新たに再定義する力のことです。ガス供給業者がガス供給業界という定義ではなく、エネルギー供給業界という定義で考えることで、戦略の幅が広がるというのを例として挙げています。
4.道筋を示す力
あるべき姿に向かうストーリーを作る力のことです。このときに重要なのは、ルールに則って道筋を作るのではなく、自らルールを構築することであると書かれています。
本書の最後に海図作成フォーマットが載っていますが、このフォーマットは自分で戦略立案する際のひとつのプロセスとして非常に役立ちます。これまでさまざまな戦略関連の本を読んで来られた方にとっても、新たな戦略立案パターンを増やす意味で役立つと思います。
戦略の原点
本書は経営戦略のコンセプトを実務レベルで活用可能なものに厳選し、戦略の基本という位置付けでまとめたものです。(本書の表現を引用すると枝葉を理解するための幹の部分にフォーカスをあてているということになります)
企業の成長目的に始まり、ファイブフォース分析などの外部環境分析やバリューチェーンなどの内部環境分析の手法、事業戦略の基本パターンを紹介。
後半ではM&Aの概要や戦略の意思決定や実行の要諦にも触れていて、戦略立案から実行までの基本概念をコンパクトにまとめられています。
それぞれのコンセプトの説明は簡略化されているので、本サイトでも紹介しているような複数の戦略本を読んだ上で、もう一度基本に立ち返る際に適した一冊です。
経営参謀の発想法
マッキンゼーやベインアンドカンパニーなどの名だたる外資系経営コンサルティング会社に勤務したキャリアを持つ後(うしろ)氏が記したトップをサポートする経営参謀が戦略を立案するためのステップを記した1冊です。
後氏が本書で提唱する5つの戦略策定ステップは以下のとおりです。
この5つのステップを各章に分けて丁寧に解説しているので、戦略策定のバイブルとして使いやすい内容になっています。
戦略フレームワークを提唱している4冊
戦略フレームワークを提唱している4冊です。
ブルーオーシャン戦略
ブルーオーシャン戦略は、2005年に発表されたコンセプトで、当時から世界的に話題となりましたが、今では一般名詞として活用されるまでになっています。
本書は、そのブルーオーシャン戦略を考案したフランスのビジネススクールINSEADの教授であるチャン・キムと、レネ・モボルニュによって書かれたブルーオーシャン戦略のコンセプトをまとめたものです。
圧倒的な収益、競争優位性を誇る企業は、血で血を洗うレッドオーシャンではなく、新たな価値創造を通じて未開拓の巨大市場であるブルーオーシャンを築いているとし、ブルーオーシャンを築いた企業の事例と、ブルーオーシャンを築くためのフレームワーク、アクションマトリックスや戦略キャンバスなどを提唱しています。
ブルーオーシャンを初めて聞くという方はもちろん、ブルーオーシャンという言葉を聞いているけど、本当の意味はよくわかっていないという方にもおすすめです。
逆転の競争戦略
チャレンジャー企業の立場に立ってリーダー企業が追随しにくい戦略をフレームワークによって体系化しています。
リーダー企業の強みと弱みが表裏一体であること、どういうことをきっかけにしてリーダーから転落していくのかということもまとめてあり、リーダー企業側の立場としても示唆のある内容となっています。
チャレンジャー企業にお勤めの方、リーダー企業を変革していきたい方におすすめの一冊です。
異業種競争戦略
事業連鎖の中で、それぞれの機能を担うプレーヤーが時系列でどのように変化してきたか?をわかりやすく記しています。
加えて、戦い方のパターンや儲け方のパターンなどもいくつか紹介しています。
事業戦略やマーケティング戦略を立案している方におすすめの一冊です。
プラットフォーム戦略
この本が発刊された当時、プラットフォームという名はあまり浸透していませんでしたが、今や当たり前のように使われるプラットフォーム。
本書では、そのプラットフォームについて、企業と顧客、顧客同士、企業と補完事業者など、ビジネスに参加している者を乗せる土台と定義して、戦略的活用や利用方法について解説しています。
インターネットモール、オークションサイト、クレジットカード会社、ゲームメーカー、玩具メーカー、教育機関などさまざまな事例の中で、プラットフォームとして成功した例や、乗るべきプラットフォームを誤って急落した例などを豊富に紹介しています。
プラットフォームという視点で体系的にまとめられています。
ケーススタディを元にした3冊
物語やケーススタディをベースにして経営戦略を描いた3冊です。
戦略コンサルティング・ファームの面接試験
戦略系コンサルティングファームの採用試験では、フェルミ推定やビジネスケースに関するインタビューが実施されるそうです。ビジネスケースとは、ある会社の経営課題をケースとして与えられ、その課題に対する解決策を提示するというものです。(フェルミ推定についてはこちらの記事を参照ください)
本書では、そのビジネスケースの例を36個収録。さらにケースのタイプを12に分類し、それぞれのケースを解くために必要とされるフレームワークを紹介しています。
上記の12個のフレームワークは、事業戦略やマーケティング戦略の立案に携わる方にとっても、業務の中で必要な論点を提示してくれる心強い味方になるものだと思います。
ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則
ジレット、フィリップ・モリス、キンバリー・クラーク、ウェルズ・ファーゴなどを例にあげて、平凡な会社がいかにしてエクセレントカンパニーになったかをまとめた本です。
著者のコリンズはエクセレントカンパニーになるためには、規律ある人材を選び、その後に目標を決めることが大事だとしていて、誰をバスに乗せるかを最初に決めると表現しています。
そして、愚直に規律ある考えと規律ある行動を守ることで、優良企業はやがて偉大な企業へと発展していくと説いています。
経営戦略ケーススタディ―グローバル企業の興亡
優良企業の成功事例を簡潔にまとめた本です。
前半は、産業構造分析(5F)や資源ベース理論(RBV)、ポーターの事業戦略類型などの経営戦略のフレームワークをベースに各企業の事業戦略を解説。
後半は、国際戦略、インターネットビジネス、コーポレートガバナンスなどの観点から優良企業の事業戦略を解説。
シマノ、イケア、キヤノン、サウスウエスト航空、デル、サムスン、ファーストリテイリングなど、世界的に有名な優良企業を20社以上紹介。
少し古い本ですが、それぞれの企業の当時の成功要因をざっくり知る上では、非常に役立つ本だと思います。
その他の4冊
上記には分類できなかった、その他の4冊です。
現場力を鍛える 「強い現場」をつくる7つの条件
本書では、強い企業の条件を現場力という切り口でまとめられ、その現場力を高める7つの条件を記されています。
強い企業とは、高い経営品質、すなわち競争戦略、オペレーション、リーダーシップの品質を誇る企業であるとして、その高い経営品質を動かすのが「現場力」であるとしています。
さらに、その現場力を品質、コスト、スピードと各々の持続性と定義し、現場力を高める条件として7つをあげています。
現場のオペレーション能力を高めたいマネージャーにおすすめの一冊です。
利益思考
事業創造の際に必要な思考(それを利益思考と本書では定義しています)を題材とした本です。
利益思考の2大要素を
1.ムダを最小化すること
2.新しい価値を生み出すたすこと
と定義し、事業評価のマトリックスの紹介やKSFやKBFの見極めの重要性を示唆しています。
後半では、名著と言われる「ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか」で登場する23の利益モデルが、8つのカテゴリーに整理されています。この部分は、新たなビジネスモデルを検討する際の切り口として活用できるでしょう。
マンガビジネスモデル全史(創世記篇+新世紀篇)
こちらは「創世記篇」「新世紀篇」の2冊を続けて読むことをおすすめします。
創世記篇の冒頭でメディチ家による国際為替決済システムから、インターネット時代のペイパルに至る決済手段の変遷を解説。
その後、近代ビジネスモデルの創世期から20世紀に至るまでの変遷を紹介。
垂直モデル、水平モデル、替え刃モデル、ドミナントモデル、水平分業といった近代に発明されたモデルから、プラットフォームモデル、C2Cマーケットモデルなどの20世紀末の前後に生まれたビジネスモデルを解説しています。
新世紀篇では、フリーミアム、ソーシャルネットワーク、アップルの逆張りなどを紹介、その後はリーダーシップ、企業文化や人材育成など、いかにしてビジネスモデル革新を生み出し、それを実行・維持できる組織にしていくかというポイントが述べられています。
時代時代のビジネスモデルが、その代表例とともに的確に描写されていることに加えてマンガなので大変読みやすい内容になっています。
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