ビジネスパーソンにとって仕事力の基礎となるのが、ロジカルに物事を考えることです。
この記事では、おすすめのビジネス書の中から、ロジカルシンキング(論理的思考)、考えるを身につけるために役立つおすすめの本17冊を紹介していきます。
▼この記事で紹介している本▼
こんな人におすすめ
- ロジカルに考える力を養いたい
- 自分の頭で考える癖を身につけたい
- 説得力のある提案をできるようになりたい
ロジカルシンキングの基礎を学べる6冊
まずはロジカルシンキングの基礎を身につけるための6冊を紹介します。
いずれも長く読まれているロジカルシンキングの古典とも言える本です。
ロジカルシンキング 論理的な思考と構成のスキル
元マッキンゼーの照屋華子氏が書いたロジカルシンキング初学者向けの一冊です。
ロジカルシンキングを学びたいけど、どの本から読めばよいかわからない。
そんな方には、まずこの本をおすすめしています。
ロジカルシンキングに必須の概念となるMECEやピラミッドストラクチャーの基礎を始めとして、アイデアを整理したり、相手を説得したりするための基本的なフレームワークを解説。
各章に演習問題がありますが、答えは載っていません。
おそらく、答えを見つけることが重要なのではなく、どうすればよくなるかということを考えるプロセスが重要だという著者の意図ではないかと思います。
ロジカルなコミュニケーション能力を高めるための最初の1歩として本書をおすすめします。
こちらの本は、Amazonオーディブル(30日間無料体験)で聞くこともできます。
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ロジカル・ライティング-論理的にわかりやすく書くスキル
上記ロジカルシンキングと同じく元マッキンゼーの照屋華子氏が書いた一冊です。
ロジカルシンキングが論理思考の概念の解説がメインだったのに比べて、この本はタイトル通り書くことにフォーカスした内容になっています。
自分のアイデアを相手に説明する際に、論理をしっかり固めたいときに使える手法が多く掲載されています。
本サイトのコンテンツでも紹介しているピラミッドストラクチャーの作成方法をこってり詳細まで説明しています。
仮説思考
元日本航空、ボストンコンサルティンググループの内田和成氏が書いた仮説思考に関する本です。
多くの人は、情報量が多ければ多いほど、優れた意思決定ができると思い込んでいますが、実際に多くの情報を集めようとすると、それだけでタイムオーバーになってしまいます。
しかし、仮の結論を想定してから仕事を始める仮説思考を身に付ければ、仕事の生産性は大幅に向上し、短時間で良質なアウトプットが出せるようになる。
この本では、一貫して結論を最初に想定してから、詳細を調査することを推奨しています。
なぜなら、一旦、仮説(結論)を定めれば、あとはそれを論理的に解説できるようにすることだけを考えて情報調査をすればいいので、仕事の生産性が大きく向上できるからです。
仕事の生産性が上がらないと思っているなら、まず仮説思考から読み始めてみることをおすすめします。
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ビジネス仮説力を磨き方
仮説思考と同じく仮説をテーマにした1冊です。
冒頭で仮説を持つことの意義として、検証マインドの向上とそれゆえに高まる説得力、関心・問題意識の向上、スピードアップ(クイック&ダーティー)、行動の精度向上を挙げた上で、よい仮説を次のように定義しています。
- 新規性・独自性がある
- ビジネスへの活用が可能である
- アクションオリエンテッドである(次の行動を喚起できる)
そしてよい仮説を立てるために必要なこととして、ファクトに基づいて考えることと、経営の知識を挙げています。
最後に立案した仮説の検証方法まで解説。
ビジネスにおける仮説力をより高めたい方におすすめです。
ロジカルプレゼンテーション
企業向けのロジカルシンキング研修の講師が執筆したプレゼンテーションの本です。
プレゼンテーションを提案として捉え、提案の技術を、論理思考力、仮説検証力、会議設計力、資料作成力に分けており、前半はロジカルシンキングで重要な要素をしっかり網羅しています。
そのロジカルシンキングの中でも、やや難解に思われるピラミッドストラクチャーを縦の論理(本当にそうなの?)、横の論理(それだけなの?)という独特言い回しで非常に分かりやすく解説。
後半は、会議設計や資料作成など、より実際のプレゼンテーションを意識した内容になっています。
会議の設計力に関しては、会議を運営する機会が多いスタッフ部門の方にもおすすめできる内容です。
本書を参考にして提案書やプレゼン資料を作成すると、一気に内容が充実することでしょう。
考える力をつける3つの道具
TOC理論で有名なイスラエルの物理学者エリヤフ・ゴールドラット氏が発案した考えるための3つの道具を著者である岸良氏がマンガを交えてわかりやすく解説した1冊です。
- 問題をわかりやすく整理する道具「ブランチ」
- あちらを立てればこちらが立たずの板挟みを解決する道具「クラウド」
- 障害を予想して目標を実現する道具「アンビシャス・ターゲットツリー」
この3つは、教育現場で使われるだけあって枠組みはとてもシンプルでありながらも、大人が見ても示唆に富んだ方向性を生み出せる道具ばかり。
アリとキリギリス、うさぎとカメのマンガ・事例を交えながらコミカルでわかりやすく考える道具を噛み砕いています。
問題設定力を養える3冊
そもそも解決すべき問題は何か?
そんな問題設定力を養うための3冊です。
論点思考
仮説思考を書いた内田和成氏が書いた本です。
問題解決を図るには、そもそも問題を適切に設定できていなければなりません。
本書は、論点思考と題して、その問題設定の仕方を取り上げています。
論点思考のステップ、論点の当たりのつけ方、論点の構造化など、筆者の長年のコンサルティング経験に基づいた事例を交えての解説は大変説得力があります。
本書の最後には、「原材料費が上がっているので、コストの問題を解決してほしい」という上司の指示に対する論点の設定と、解決策立案のケースが載っているので、実際の論点整理を疑似体験することもできるようになっています。
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イシューからはじめよ
元マッキンゼー安宅(あたか)氏が、知的生産性を高めるための考え方を記した一冊です。
本書では、バリューのある仕事をイシュー度が高く、解の質も高い仕事と定義し、その中でも重要なのがイシュー度の高さとしています。
どれだけ頑張って解の質を高めても、イシュー度が低くれば、決して仕事のバリューは上がらない。
安宅氏は、そのイシュー度が低く解の質だけを求める状況を「犬の道」としています。
「犬の道」を避けるには、よいイシューを設定することから始めなければならない。
本書では、そのよいイシューを設定する、以下の
- 本質的な選択肢である:答えが出ることで、方向性に大きく影響する選択肢
- 深い仮説がある:常識の否定や、新しい関係性・ルールにつながる
- 答えが出せる:現在の自分の技術や状況で答えを出せる(答えの出せない問題はいくら考えても時間の無駄)
本質的な生産性を高めたいという方におすすめです。
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構造化思考トレーニング
野村総合研究所で、マーケティングや新規事業などのコンサルティングに携わる中島氏の著書です。
仕事の手戻りをなくすには、「依頼者が何を解きたいのか、何を明らかにしたいのか」をキークエスチョンという形で設定することが最も大事であるとしています。
本書によると、キークエスチョンの設定が不十分なまま仕事に着手すると、
- 答えるべきことに答えていない
- 検証すべき視点が網羅されていない
- 話のつながりがおかしい
- ファクトが信じがたい
などの問題で、上司や顧客からダメだしを連発されてしまうからです。
本書ではキークエスチョンの設定方法、キークエスチョンに答えるのに必要となるサブのクエスチョンを構造化する方法を失敗例と成功例を交えながら解説しています。
「上司や顧客を説得できない」「仕事のやり直しが多い」などの悩みを持つビジネスパーソンにおすすめの一冊です。
問題解決力を養える2冊
ロジカルシンキングを活用して問題解決力を向上させたい方におすすめの2冊です。
マッキンゼー式世界最強の問題解決テクニック
戦略コンサルティングファーム・マッキンゼーの仕事(特に問題解決)の手法を世の中に公開した一冊です。
MECE、ロジックツリー、仮説思考など論理思考に加えて、問題解決のための実践的な手法を解説しています。
印象深いのは、問題があるなら、その問題を構造化したうえで「最初の会議で結論を出してしまう」ということ。
まさに仮説思考そのものとも言えますが、そのような会議ができている会社は、未だにほとんどないのではないでしょうか。
出版から長い年月が経っていますが、問題解決の基礎を学ぶにはうってつけの一冊だと言えるでしょう。
新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術
問題解決の要点をまとめた一冊です。
後半に各ツールを用いた問題解決のケースが掲載されていますが、単なるツールの使い方を示すのにとどまることなく、ツールを使ってどのような示唆を出すか、仮説を検証する仮定でロジックツリーをどう見直すかまで具体的に記述。
さらに、最後にクライアントをどのように説得するかというロジックを超えた人間臭い部分までが描写されており、かなり実践を意識した内容まで踏み込んでいます。
思い込みを排除し常識を疑う力を身につけられる2冊
論理思考を養うためには何事も事実に基づいて考える必要がありますが、長年思い込んでいることの中には、論理的ではないこともあります。
そんな思い込みを排除し、常識を疑う大事さを定量的な分析をもとに教えてくれる2冊を紹介します。
ファクトフルネス
世界で起きている本当の実態を知っている人がどのくらいいるのか?
そんな問いかけをする本書は、世界の人が抱いている世界に対する誤解を定量的なデータを元に解説した一冊です。
世界の格差は広がっているように見えるけど、むしろ縮まっている?
アフリカはもはや貧困国とは呼べない?
等々、世界の多くの人が今まで信じてきた常識を覆すさまざまなデータが盛り込まれています。
本書は、雰囲気や思い込みを排除して、データを元に物事を考えることの大事さを教えてくれます。
逆説の法則
渋滞研究の第一人者で、東京大学の教授である西成氏が記した本です。
西成氏は、自ら「渋滞学」という学問を立ち上げ、立ち上げ当初は学会発表でも誰も聞く耳を持たなかったそうです。
しかし、そうした逆風にもめげずに研究を重ねてきた結果、渋滞学を単に渋滞に関する研究としてだけでなく、ビジネス一般に普遍的に応用できる知識体系として発展させてきました。
その結果、数々の企業でコンサルタントとしても活躍しています。
本書では、適切な車間距離をとり、ゆとりを持って運転すれば渋滞が起こることはなく、全員が目的地に早く到着できることを理論と実践によって解説しています。
その渋滞理論を応用して、バケツリレーもバケツに満タンに水を入れて運ぶのではなく、バケツの容量の約7割だけ入れて運ぶ方が、早く効率的に水を運べることを数学的に解説。
上記のことから、仕事でもあえてゆとりを設けることで、かえって仕事は早く終わらせられると結論づけ、これを「空けるが勝ち」と表現しています。
この他にも、全体を部分に分けて対応した方が結果としてよい結果が出る「分けるが勝ち」、時間をかけて準備をした方が手戻りがなくなって早く仕事を完了できる「かけるが勝ち」、あえて利他的な行動をとる方が結果として多くのリターンを得られる「負けるが勝ち」など。
これらを全て数学的な裏付けを踏まえて解説しています。
分析力・地頭を鍛えられる4冊
最後に分析力・地頭力を鍛えられる4冊を紹介します。
戦略「脳」を鍛える
本書では、経営戦略立案においては、戦略論の定石を知った上で、さらにプラスアルファが必要で、兵法や将棋などの例を出した上でそのプラスアルファはインサイトだと結論づけています。
そして、そのインサイトを生み出すには(思考の)スピードとレンズ(物の見方)が必要で、各章でそのスピードとレンズの磨き方を述べています。
戦略的思考とは何か―エール大学式「ゲーム理論」の発想法」
この本では、ゲーム理論をベースに、企業間での戦略だけでなく、政治からスポーツ、ゲームに至る事例をいくつか取り上げ、モデル化してプレーヤーの取るべき戦略を解説をしています。
たとえば、
2ラウンド制で三者決闘をするガンマンの中で、最も弾を命中させるのが下手なガンマンが生き残るために取るべき戦略は何か?
など、
さまざま事例で取るべき戦略、参加者が陥るジレンマが解説されています。
初版は1991年とかなり昔になりますが、今日の問題と比べても古さを感じることのない読み応えのある本です。
意思決定のための「分析の技術」
そもそも意思決定をする際の分析方法にはどんなものがあるのか?分析と言われるけど具体的に何をすればよいのか?本書はそんな疑問に答えてくれる一冊です。
本書では、筆者が経験を通じて得た分析技術の体系化を試みており、9つの分析手法を紹介しています。
過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題
コンサルティング会社の採用試験で行われるフェルミ推定やケース面接を題材とした本です。
フェルミ推定では、「シカゴにピアノ調律師は何人くらいいるか?」といった一見捉えどころのない問題に対してロジックを重ねて推定すること、ケース面接では、「新聞社の売り上げを増やすには」といったやや漠然とした経営課題に対する思考を身に付けるための一冊です。
本だけじゃない:ビジネスを学べる動画サイト
ビジネスを学べるのは本だけではありません。
たとえば、シリコンバレー発祥のオンライン学習プラットフォームUdemyだと、ビジネスの専門知識をじっくり学べます。
Udemyのメリット
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