仕事で使えるマーケティング思考に関する基礎知識を1つにまとめました。
個別の項目について詳細を知りたい場合は、各項目にある詳細記事をご覧ください。
マーケティングとは
マーケティングとは、顧客のニーズを捉えながら、製品やサービスを買ってもらえる(もしくは買い続けてもらえる)仕組みを構築し、企業の収益を高める活動のことです。
そのためには、顧客がお金を払ってでもその価値を受け取りたいを思えるものを作る必要があります。
高度成長期の日本は、顧客のニーズが明確だったので、マーケティングという概念が無くても物を作れば売れるという時代でしたが、市場に物が溢れ、顧客ニーズが多様化している近年では、企業活動におけるマーケティングの重要性はますます高まっています。
マーケティングの基礎として以下のことが重要になってきます。
- マーケティング・プロセスを理解する
- 顧客の分析方法を知る
- ビジネスモデルの構築方法を知る
- マーケティングに必要な定量分析手法を理解する
- 顧客のロイヤリティを向上させる(顧客に買い続けてもらうための要素)を知る
マーケティングというと、消費者(C)向けが考えられがちですが、法人(B)向けのマーケティングにおいても、上記の基礎は重要になってきます。
なお、こうしたマーケティングを軸にビジネスを考えることをマーケティング思考といいます。
マーケティング・プロセス
近代マーケティングの基本はマーケティング・プロセスです。
マーケティング・プロセスとは、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングを決めた上で、マーケティングの4P(製品、価格、流通、プロモーション)を考えるための一連のプロセスを表します。
■セグメンテーション
顧客を製品やサービスを買う目的ごとに細分化することです。
■ターゲティング
セグメンテーションによって分類した顧客の中で、狙う顧客を決めることです。
■ポジショニング
ターゲット顧客に対して製品やサービスの価値を競合と差異化して見せることです。
■マーケティング・ミックス
マーケティング策を具体的に考えるための4つの要素。マーケティングの4Pとも呼ばれる。製品戦略、価格戦略、流通戦略、プロモーション戦略から形成されます。
価格戦略には、場面別にさまざまな価格戦略があるほか、サービスの場合は、サービス特有の価格戦略がありますし、近年ではサブスクリプションという価格モデルもあります。
流通戦略、1段階や2段階など中間チャネルを介して製品を売るモデルの他に、近年ではメーカーであってもD2C(Direct to Consumer)のような直販モデルが採用されるケースも増えてきています。
顧客の分析方法
顧客の分析は、マーケティングの第一歩です。
顧客を分析することが、顧客に提供すべき価値の発見につながります。
顧客の価値を発見する市場調査
顧客分析の1つとして市場調査があります。
市場調査には2つのフェーズがあり、1つは顧客が持つ課題を特定するフェーズ、もう1つが提供する解決策が顧客のニーズに合致しているかを確認するフェーズです。
以下の記事で、市場調査の方法を解説しています。
顧客の購買行動分析
購買行動を分析することで、顧客が本質的に抱えている課題、ときには顧客自身が認知できていない課題を発見することにつながります。
顧客の購買行動を分析する際には、カスタマージャーニーマップが役立ちます。
カスタマージャーニーマップを作ることで、顧客が購買前の検討段階から、購買時、購買後の体験の中で、どこを最も改善しなければならないかのヒントを得られるのです。
カスタマージャーニーマップを作る際の切り口の1つとして、顧客の態度変容を表すモデルが役立ちます。
態度変容を表すモデルには、AIDMA、AISAS、AMTUL、AIDEESなどがあります。
また、消費者の購買行動にはどのような分類があるのかを知っておくことも有用です。
たとえば、以下の記事で書いたような6つの分類方法があります。
ビジネスモデルの構築
せっかく大きな価値を生み出せても、その価値が自社の利益にならないと意味がありません。
そこで、顧客の分析をできて、提供する価値が決まったら、その価値を自社のお金に転換するビジネスモデルを考える必要があります。
リーンキャンバス
事業立ち上げ期のビジネスモデルを考えるのに特に有用な手法として、リーンキャンバスがあります。
リーンキャンバスを使うことで、検討初期に考えなければならないことを漏れなくクイックに検証することができます。
ユニットエコノミクス
さらに、ある程度フェーズが進んできたら、ビジネスの最小単位(ユニット)において、儲かる形にできるのかを考える必要があります。
その最小単位で儲けられるかを考えるときに使うのが、ユニットエコノミクスです。
マーケティングにおける定量分析手法
マーケティング戦略を考える上で役立つ定量分析手法がいくつかあります。
市場規模の求め方
代表的なものが、市場規模の求め方があります。
以下の記事で解説しているように市場規模を求める方法は何種類もありますが、製品やサービスの市場背景や前提条件に合わせて適切なものを選択する必要があります。
ときには市場規模を複数パターンで検証し、妥当性を確かめる場合もあります。
顧客の価格感度がわかるPSM分析
価格の妥当性を検証する分析手法としては、PSM分析があります。
PSM分析では、分析によって得られる4つの価格を価格設定の参考にすることができます。
顧客のロイヤリティ向上
自社の顧客が継続的に顧客であり続けてもらうことは、マーケティングにおいて重要な意味があります。
なぜなら、新たに顧客を獲得するコストよりも、1度自社を認知してもらった顧客に再度製品やサービスを買ってもらうコストの方がはるかに安いからです。
顧客のロイヤリティを向上させるために重要なことがブランドです。
以下の記事では、ブランド戦略について解説しています。
また、顧客の継続利用という意味では、スイッチングコストという観点も外せません。
スイッチングコストとは、顧客が他社の製品に乗り換えるためにかかるコストのことで、スイッチングコストが高ければ高いほど、自社を継続する可能性が高まるのです。
法人(B2B)マーケティング
法人向け(B2B)のマーケティングは、消費者向け(B2C)のマーケティングとは少し異なるアプローチをするところがあります。
以下の記事に、B2Bマーケティングにおけるマーケティング戦略をまとめています。
ただし、B2Bマーケティングと言えども、利益の源泉は最終消費者であることを忘れてはいけません。
したがって、目先の法人顧客だけではなく、その先にある最終消費者にとっての価値まで考えて、法人顧客に提案することを心がける必要があります。
マーケティングに関するおすすめ書籍
私がこれまで読んだマーケティングに関する本の中で、おすすめしたいものを以下の記事で紹介しています。
マーケティングの基礎を学べる講座
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