ファイナンス

IRRを使った債券の利回り計算方法

債券(国債、社債)には、満期、利率、額面価格、発行価格によってさまざまな種類のものが存在します。

この記事では、それらの債券を比較するための利回り計算方法について解説します。

債券利回りの計算方法 IRRの活用

異なる債券を比較するときは、それぞれの債券が投資家にとって、実質的にどの程度の利回りをもたらすかによって決まります。これを比較する尺度がIRRです。

たとえば、次のような債券を比較してみます。

通貨 償還期間 発行価格 額面価格 クーポン利率
債券A 円建て 5年 100 102 0.8%
債券B 円建て 7年 100 100.5 1.25%
債券C ドル建て 3年 100 100 3.0%
債券D ドル建て 5年 100 101 3.25%
債券E ドル建て 7年 100 100.5 4%

※発行価格は、全て100を基準として考える。

これだけ、見るとどの債券が一番実質利回りが高いのかがわかりません。そこで、IRRを用いるわけです。そこで次のようなスプレッドシートを用いて考えます。

IRR 0 1 2 3 4 5 6 7
債券A 1.19% -100 0.80 0.80 0.80 0.80 102.80
債券B 1.32% -100 1.25 1.25 1.25 1.25 1.25 1.25 101.75
債券C 3.00% -100 3.00 3.00 103.00
債券D 3.44% -100 3.25 3.25 3.25 3.25 104.25
債券E 4.06% -100 4.00 4.00 4.00 4.00 4.00 4.00 104.50

こうすることで、それぞれの債券をIRRという一定の軸で評価できるようになりました。あとは、それぞれの債券のIRRと、各国通貨建てのリスクフリーレート(一般的には長期国債)を比較することで、有利な利回りかどうかを判断できるわけです。

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