オプションの価格算定理論にブラックショーズルモデルというものがあります。
この記事では、そのブラックショーズルモデルについて解説していきます。
ブラックショールズモデルとは
ブラックショールズモデルとは、オプション価格の算出モデルのことです。ブラックショールズモデルは、考案したフィッシャー・ブラック氏とマイロン・ショールズ氏の名前から名付けらています。
オプション価格の算出モデルにはいろいろありますが、ブラックショールズモデルは計算の手間がかからないという理由から実務的にもよく用いられています。
ブラックショールズモデルは、次のような数式で表されます。
コールオプションの場合
計算式は以下のようになります。
コールオプションの価格 = S0 × N(d1) - K × e(-r×t) × N(d2)
ただし
d1 = { ln(S0/K) + (r + σ2 /2)×t } / { σ×t(1/2) }
d2 = d1 - σ×t(1/2)
S0 : 株価 、 K : 権利行使価格 、
r : リスクフリーレート 、 t : 残存期間
σ : 満期までのボラティリティ 、 e : 自然対数の底 、
ln : 自然対数
N(d1)、N(d2) : 累積密度関数
この式から、コールオプションの価格が上がるのは、次のような場合であることがわかります。
・株価が高いとき。
・権利行使価格が下がったとき。
・残存期間が長いとき。
・リスクフリーレートが高いとき。
・ボラティリティが大きいとき。
なお、株式に配当金がある場合、配当利回りがオプション価格に与える影響を考慮する必要があります。配当利回りをdとすると、ブラックショールズ方程式は次のようになります。
コールオプションの価格(配当利回り考慮)
= S0 × e(-d×t) × N(d1) - K × e(-r×t) × N(d2)
ただし
d1 = { ln(S0/K) + (r - d + σ2 /2)×t }
/ { σ×t(1/2) }
d2 = d1 - σ×t(1/2)
プットオプションの場合
プットオプションの場合は以下のようになります。
プットオプションの価格 = K×e(-r×t)×N(-d2) - S0×N(-d1)
オプション価格戦略を知るには
ブラックショールズを使った価値計算例