私はサラリーマン時代に、日本人だけでも10人以上の上司を経験し、5年間にわたり課長職を勤めてきました。
その中で、管理職の立場から見て、部下がこういう感じで動けば、もっと上司とうまくやれるはずなのにということを何度か感じたことがあります。
そこで、この記事では、
- 「上司に近づきにくい」
- 「上司といつも意見が合わない」
- 「上司から評価されている感じがしない」
こんな悩みを持つ人に向け、上司とうまくやるための方法を紹介していきます。
上司は自分の仕事を助ける道具だと考える
うまくやるための具体的な方法を書く前に、あなた自身が持っておくべき心構えを書きます。
それは、上司とは、あなたの仕事を助けるための道具だということです。
上司にとって、部下が仕事の成果を狙いどおり達成するのは、自分の成果につながる話なので嬉しいことのはずです。したがって、あなたが難しい課題にぶつかったときに、上司を積極活用することは、上司ー部下双方にWIN-WINとなるのです。
私は、いつも部下から上司をマネジメントすると言っていました。
少なくとも私は管理職時代にそのように考えていたので、部下にはいつも「困ったときには積極的に自分を使ってくれ」と言っていました。
しかし、上司は部下の仕事を助けるのが仕事とは言っても、そこは人間同士です。
上司が感情的に助けてやろうと思える部下になる必要があるでしょう。
では、どのような部下ならより助けたいと思うのか、その方法を書いていきます。
上司が助けてあげようと思える部下になるための4つの方法
上司が助けてあげようと思う部下になるためには、大きく4つの方法があります。
自分を開示して個性を知ってもらう
まずは上司に対して自分を積極的に開示していきましょう。
上司の立場としてマネジメントしにくいことのひとつは、部下の個性が見えないことです。
もちろん、上司としては口数が少ない部下や、おとなしい部下であっても、極力部下の個性を見出して活かそうと努力をします。
しかし、部下から積極的な自己開示が少ないと、どうしても推測で考えざるを得ません。
そうなると、個性に合わない仕事の与え方をしてしまい、成果がうまく出せない。そこを上司として指摘してしまい、結果お互い仕事がやり辛くなるということにも陥ってしまいます。
上司の立場から見ると、部下の個性を把握するために、何らかの方法で自己の開示をしてくれると大いに助かりますし、個性に合わせてサポートしようという気にさせてくれるのです。
仕事を常にオープンにする
仕事についてもオープンにするのがよいです。
上司の立場から見て、部下の仕事がオープンになっていないというのは、とてもマネジメントし辛いものです。
また、単にマネジメントしくいだけでなく、そもそも任せている仕事の状況がオープンになっていないと、部下に対する信頼も揺らいできます。
「なんで、あいつは仕事の状況を教えてくれないのか?」
「何か隠れてよくないことでもしているのではないか?」
上司の側にこんな疑念が出てしまうと、部下が何をやっていても疑いの目で見られてしまい、部下であるあなたにとっては仕事がますますやりづらくなってしまいます。
仕事がオープンになっていないと上司の干渉も増えます。
あなたが仕事の状況をオープンにしていると思っていたとしても、上司としては足りないと感じているかもしれません。
あなたの仕事がどういう状況になっているかは、積極的にオープンにしていきましょう。
上司から仕事を受けたときに何を途中経過として状況報告してほしいのか、予めすり合わせしておくのも一案です。
問題があったらすぐに報告する
仕事をオープンにするということに近いですが、抱えている問題はすぐに報告しましょう。
問題が起きたときに、上司に報告しにくいというのはよくわかります。
しかし、以下のツイートご覧ください。
隠蔽していると自分の責任、一旦報告してしまえば、その案件は上長や組織の責任になります。責任を抱え込むのは辛いので、早めに報告して組織の責任にしてしまいましょう。 https://t.co/X6ZrI1Wrhp
— セーシン (@n_spirit2004) April 13, 2019
このように部下であるあなたが問題を報告しないと、いつまで経ってもあなたの責任範囲になってしまうのです。
一方で、上司としては、部下が抱えている問題はいち早く組織としての問題にして、適切な問題解決体制(人員の応援を含む)を作って対応したいと考えます。
上司は長い経験の中で、個人の問題をいち早く組織の問題にしてしまうのが、最も適切に対応できると知っているからです。
もし問題が起きても、それを速やかに報告しない部下だと、仕事をオープンにしない部下と同様に、何か問題を隠していないかという疑いの目で部下を見るようになってしまいます。
そうなると、良好な関係を築くことは難しくなるでしょう。
頼れる部下を目指す
ここまで挙げた3つは最低限クリアしてもらった上で、さらに良好な関係を目指すには頼れる部下を目指すことです。
頼れる部下には大きく4つの特徴があります。
- 自分の意見を持った上で相談してくる
- 自ら進んで勉強する
- 自部署の改善提案ができる
- 他部署に自分の意見をはっきり言う
ここまでのポイントを総括した形になっているツイートがこちらです。
日本人だけでも10人以上の上司を経験しましたが、上司のマネジメントの基本は同じでした。
・その上司の視点に立って提案する
・自分のやりたいことを上司を使ってやる
・どこまで権限委譲してもらえるか仕事を受けたときに確認する
・仕事の進捗を常にオープンにする(悪い情報ほど積極的に) https://t.co/jumwu8FQ29— セーシン (@n_spirit2004) May 7, 2019
ちなみに、このツイートの引用元のツイートにも書きましたが、この上司のマネジメント方法は、外国人相手であってもそんなに大きく違いませんでした。
言い換えると、一度身につけると、どこででも使える手法になります。
どうしてもダメなら異動願いを出す
上に書いた4つのポイントをおさえても、上司との関係が良好にならないこともあります。
それは上司の側に問題があるのか、人間的・生理的に受け付けない何かがあるのかもしれません。
残念ながら人間である以上は、あなたに非が無くても関係を良好に保てないことは起きます。
その場合は、その上司との関係構築は諦めましょう。
上司を変えてもらうのは難しいでしょうから、社内の中で異動できる先を探して、異動願いを出すしかありません。
異動願いを受け入れてくれるかは会社にもよりますし、組織が置かれている状況にもよるので、簡単ではないかもしれません。
しかし、日頃から社内の他の管理職と関係を築いておくと、希望を通しやすくなる会社もあります。
実際、私が勤めていた会社は、人事を介さずに管理職同士で人材ローテーションを会話して、人事には起案した内容の承認だけもらうというスタイルでした。
会社自体が問題なら転職活動をする
上司に対するコミュニケーションとして、やることを全部やった。ダメ上司から逃れるべく異動願いも出した。
それでも、状況が改善されないなら、それは会社に問題がある可能性が高いです。
そんなときは、諦めて転職することも考えましょう。
私の知り合い(日本人)でも、上司が訳の分からない人になったからという理由で、新天地で活躍している人を知っています。
会社が変わったり、状況が変わったりするのを期待して待つくらいであれば、転職活動をしておいて手持ちのカードを増やしておいたほうがよいです。
時間を多少とられてしまうデメリットはあるものの、選択肢を広げられる可能性を考えれば、ものすごく小さな投資ですし、何より金銭的な負担が一切ありません。
最近では、オンライン面談も増えているので、スキマ時間を活用しやすくなっています。
今すぐ転職する意思はなくても、エージェントは親身に相談に乗ってくれますよ。
関連記事:【情報収集だけでも可】転職サイト・エージェントに登録する3つのメリット
まとめ
上司とうまくやるには以下のポイントが大事です。
- 自分を開示して個性を知ってもらう
- 仕事を常にオープンにする
- 問題があったらすぐに報告する
- 頼れる部下を目指す
しかし、人間的な相性もありますし、そもそもの会社との相性もある話なので、自助努力だけでは難しいと感じたら、異動なり転職なり早めに手をうつようにしましょう。