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DCF法で重視する指標 資本制約のあり・なし両方のケースで解説

DCF法で重視する指標 資本制約のあり・なし両方のケースで解説

DCF法で投資判断をするときに、NPVやIRRなどの指標がでてきますが、どの指標を最も重視すべきか?という疑問を持たれている方も多いようです。

この記事では、DCF法でのプロジェクト評価を資本制約がない場合、ある場合で解説していきます。

プロジェクトの例

例として、プロジェクトA、B、Cがあるとします。それぞれのプロジェクトの初期投資額、NPVの額、IRRをとBCRは次のようになっています。

  プロジェクトA プロジェクトB プロジェクトC
初期投資 10,000百万円 5,000百万円 5,000百万円
NPV 1,827百万円 1,137百万円 1,014百万円
IRR 17.1% 16.7% 16.9%
BCR 1.18 1.23 1.20

※BCRとは、費用便益比率(Benefit Cost Ratio)のことで、
BCR = キャッシュインフローの現在価値/キャッシュアウトフローの現在価値
として表されます。

資本制約がないとき

投資額に制約がない場合は、NPVの大小で判断するのが最も適切となります。すなわち、プロジェクトA、B、Cの順に資本を投下していくのが、ベストととなります。

どれかを選ぶと、他の選択肢を選べないという前提であれば、単純にNPVの大きいAを選択するのがベストです。

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以下ページにおける比較も、投下する資本に制約がないという前提条件のもとでの比較になっています。

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資本制約があるとき

資本制約があるときは、判断基準がかわってきます。この場合は、NPVの大小ではなく、BCRの大小で判断していきます。BCRを用いることで、限られた予算の中で、NPVを最大化できるようになるからです。

たとえば、資本の制約が10,000百万円の場合、プロジェクトAよりもプロジェクトB、Cに資本投下する方がよく、資本の制約が7,000百万円の場合、プロジェクトBに5,000百万円、プロジェクトCの一部に残りの2,000百万円を資本投下するのがよいことになります。

どれか一つしか選べないのであれば、プロジェクトBを選ぶのがベストです。

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上の例では、あえてIRRとBCRの順番が異なる微妙な例で説明していますが、多くの場合、IRRとBCRはほぼ比例関係にあります。したがって、実務上はIRRの大小で、資本の投下先を判断するケースも多いようです。

まとめ

以上のように重視する指標は、資本制約がないときとあるときで変わってきます。資本制約がない場合はNPVの大小で、資本制約がある場合はBCRの大小(実務的にはIRRn大小)で判断していきます。これにより投下する資金を最も有効に活用できるわけです。

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