経営戦略を立案する上で、企業のおかれている環境を分析することは大変重要です。しかし、「事業環境ってどうやって分析していけばよいの?」と疑問を持っている方もいるでしょう。
この記事では、そういう方のために、代表的なフレームワークを用いた、企業の環境分析プロセスの例を解説していきます。
環境分析のプロセス
代表的な環境分析の流れは、以下のように外部環境を分析し、その後内部環境を分析するというプロセスです。
※代表的な環境分析の流れ
外部環境分析
マクロ環境の分析
マクロな環境分析から、分析対象の企業に大きな影響を及ぼしそうなことをピックアップし、今後に与える影響を考えていきます。
業界構造分析
業界構造の分析では、業界の魅力度(収益性、今後の成長性)を確認していきます。
ポジショニング分析
ポジショニング分析によって、業界のプレーヤーがどのような立ち位置でビジネスをしているのかを確認します。
競合分析
競合の業績、戦略ポジション、マーケティングの特色、ビジネスモデルと価値の源泉の他、どんな資産(ブランド価値)を持っていて、どんな組織形態をとっているのかを分析します。
KSF分析
業界や競合の成功例や失敗例から、業界で戦っていくためのKSF(Key Success Factor)、すなわち何をやれば勝てるのかという「業界での成功のルール」を見出します。
市場、顧客分析
どんな市場や顧客が存在して、それぞれがどのような特徴をもっているのか、顧客のKBF(Key Buying Factor:購買決定要因)が何かを探ります。
内部環境分析
競合で分析したのと同じように、自社の業績、戦略ポジション、マーケティング、バリューチェーンの他、どんな資産を持っていて、どんな組織形態をとっているのかを分析します。
その中から自社が業界で勝ち残っていくために重要なこと、すなわち「勝ちパターン」を見出します。
戦略立案においては、「業界での成功のルール(KSF)」をいかに「自社の勝ちパターン」に結び付けていくかが重要なってきます。
その他の環境分析例
SWOT分析とPEST、5つの力(ファイブフォース)、3Cを組み合わせるだけでも簡単な環境分析をすることができます。それらを組み合わせたのが次のような表になります。
※各種分析とSWOTを組み合わせた一例
また、3Cの自社・競合についてはバリューチェーンとSWOT分析やバリューチェーンとVRIOを組み合わせる分析手法もあります。
※バリューチェーンとSWOTを組み合わせた一例
※バリューチェーンとVRIOを組み合わせた一例
環境分析の参考となるSWOT分析の記事
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