フリーライドの問題とは、一部の個人が共有リソースを公平に分担されている以上に消費してしまうことです。そうした問題を起こす人や組織のことをフリーライダーと呼びます。
この記事では、フリーライドが起こりやすいもの、防ぎ方を解説していきます。
フリーライドが起こるものと起こらないもの
一般的な物やサービスは、その対価を支払った人にのみ便益を受ける権利があるためフリーライドの問題は起きません。これを排除性と言います。
一方で、公共でシェアしている物ではフリーライドの問題が生じます。こうしたもののことを、誰でもが使える物やサービスという意味で、非排除性と言います。加えて、ある人がその物やサービスの利用により、その人が他の物やサービスの利用可能性を低下させることがないことが、フリーライドの問題が起きる条件となります。
たとえば、国民が税金を支払うことなく公共財やサービス(警察や消防など)を利用することや、みんなが費用負担している公共サービスを他の人よりも高頻度で使うような場合です。これらは、みんなが利用できて、かつ他のサービス利用の機会減少にならないため、フリーライドの温床となります。
どのようにフリーライド問題を防ぐか
上述のように公共財においてフリーライドの問題は発生するので、最も効果的な方法は、政府がそうした行動をとることを規制してしますことです。たとえば、頻繁に救急車を呼ぶ人がいるとして、日本だと何度読んでも無料のためフリーライドの問題が発生しますが、他の国で実施例があるように救急車を有料にしてしまえば、救急車におけるフリーライドの問題は回避可能になります。
会社の間接費配賦におけるフリーライド
フリーライド問題は会社の間接費や、共通固定費の配賦においても取沙汰されるケースがあります。たとえば、ある会社にA事業部とB事業部があって、本部組織があったとします。本部組織の費用はA、Bの売上比率で配賦しているとします。
A事業部の売上/7,000百万円
B事業部の売上/3,000百万円
本部組織の固定費の配分/A:B=7:3
ところが、B事業部実際には本部組織のリソースを時間あたりで半分も活用していたとすると、これはある種のフリーライドになるのです。あるいは、新規のC事業部を立ち上げて、そこが本部組織の人員にサポートしてもらっていると、それもある種のフリーライドになります。
しかし、これらのフリーライドは会社内の管理会計の話なので、会社の中で戦略的に采配することは可能です。たとえば、ABCのような原価計算を導入する方法もありますし、新規のC事業部に、売上が一定規模になるまでは、あえて間接費を配賦せずに事業拡大を図るという方法もあります。
間接費の配賦方法の解説記事