頑張っているのに、なかなか評価してもらえない
このように思っている方も多いことでしょう。
しかし、結論から言うと、「頑張っている=評価される」とはなりませんし、ましてや記事タイトルのとおり、頑張ってるアピールは無意味です。
先日の関連ツイートにも似たようなことを書きました。
日系企業だと頑張っているアピールは出世のために効果がありましたが、これからはほとんど意味がなくなります。
働き方改革、副業解禁、早期退職という流れの中で、企業が求めているのは、望むアウトプットを出せるかどうかの一点。
もしアピールが目的の残業なら即刻やめた方がよいです。
— セーシン (@n_spirit2004) May 3, 2019
この記事では、上記の内容を掘り下げて書いていきます。
頑張りが評価される時代ではなくなる
日系企業の終身雇用制度の中では、仕事ができるできないよりも、上下左右の人間関係を良好に維持することがとても大切でした。
なぜなら、長く会社に勤める上で、良好な人間関係を損なうことは、仕事がやりにくくなるばかりで何のメリットもなかったからです。
だから、昔の人は、休日でも会社の人との付き合いを大事にしましたし、ゴルフで親睦を深めるようなことをしていました。
そして、人事の昇格を考えるときも、上の人間との人間関係が能力よりも優先されて選抜されていきました。簡単に言うと、能力が多少低くても、「あいつは頑張ってくれているから、引き上げてあげよう」という感覚で人事が決まっていったのです。
仮に昇格させた人よりも能力のある若い人が他にいた場合でも、「あと2-3年我慢すれば、ちゃんと上げてやるから」という口約束で我慢してもらうことができました。
これは年功序列で昇格・昇給していくことが前提だった時代には成立していました。
ところが、最近の事情は激変しています。
まずこのサイトでも何度も取り上げているように、日系大手企業といえども安泰ではありません。以下のようなリストラ事例を多く見るようになってきました。
早期退職制度適用を発表した主な会社
コカ・コーラ、600人規模の早期退職者募集
カシオ、初の早期退職実施 700人対象
富士通、2850人が早期退職 営業・エンジニアに配転も
NEC、希望退職に2170人応募 照明事業から撤退も
日ハム、45歳以上の早期退職募集
トヨタ自動車の社長もこのような発言をしています。
「今の日本(の労働環境)を見ていると雇用をずっと続けている企業へのインセンティブがあまりない」と指摘。現状のままでは終身雇用の継続が難しいとの考えを示した。
日本経済新聞記事より引用
さらに、副業解禁、働き方改革が進むと、企業としては従業員にはますます効率的に働いてもらいたいと考えるようになります。
したがって、簡単に言うと、頑張っているだけの人間には価値がなく、頑張った上でアウトプットを出せた人間により価値を置くようになるのです。
社内の評価だけだと価値が少ない時代になる
もうひとつの流れとして、これからの時代は社内評価が高いだけでは、通用しない時代になることがあります。
もちろん、社内の評価が高いに越したことはありません。しかし、これからは社内の評価だけでなく社外の評価、言い換えると市場の評価を常に意識しておく必要があるのです。
先ほどあげたように、大手企業でも容赦なくリストラをしていく時代です。以前、以下のツイートでもつぶやきましたが、会社側からすると生き残るための策として当然のことなのです。
企業は「生き残るための選択」としてリストラをやる。企業から見たときの従業員は、費用対効果の高い存在かどうかだけ。なぜか日々仕事をしていると面倒を見てもらっているように思いがちですが、効果があると思って給料が払われているだけで、実際はビジネスライクな非情な関係だと心得るべしです。 https://t.co/HZnDtszp6K
— セーシン (@n_spirit2004) May 1, 2019
非常にドライな書き方ですが、業績の見通しが悪ければ、このように考えざるを得ません。私も海外のある事業を業績不振で撤退させるときに関与しましたが、他の事業を守るためにもドライに従業員を解雇せざるを得ないのです。
たしかに経営責任ではありますが、経営者も未来のことが確実にわかるスーパーマンではない以上、仕方ないと考えるしかありません。
しかし、もし社内評価だけでなく、社外評価も高い人材になっていれば、仮にリストラされても他の会社で十分に生き残っていけますし、そもそもリストラ対象にならないかもしれません。
そういうことになります。
そんな中で、一生懸命に頑張っているアピールによって出世を目指すことには、ほとんど意味がないと気づくことでしょう。
転職するときに、「私は残業して頑張りました」ということを言っても、何の意味もないこことを考えてみればわかるでしょう。(念のためにいうと、頑張ることは大事ですが、頑張るだけ、頑張るアピールだけではダメということです)
そういう時代であっても、このような部長がいるようではありますが。。。
大企業の部長になるようないい歳したおっさんが仕事の成果やロジックの妥当性ではなく、自分の頑張りを認めてもらうためのプレゼンをして散々だったという話を聞いたけど、頑張ることが大事だということを一度擦り込まれると、年齢を重ねてもその思考からは脱却できないものなんだね。
— セーシン (@n_spirit2004) October 10, 2020
感染症の影響で大きく変わった景色(2020年4月19日追記)
2020年の感染症拡大の影響で、在宅勤務することが当たり前になってしまいましたが、在宅勤務をベースにした仕事だと「頑張っているアピール」の価値はますます無くなって、ほぼゼロになったと言ってもよいかもしれません。
これからの昇格に必要な3つのこと
では、こうした環境において、社内で昇格を目指すためには、何をするべきなのでしょうか。
私が考える3つの方策を挙げていきます。
社会人として最低限の勉強をしておく
まず社会人としての基礎となる戦闘力をあげるために、最低限の勉強をしましょう。
そのためには、以下の4つのことを考えるようにしましょう。
- ビジネスの基礎知識を習得する
- さらに深く、広い専門性を習得する
- 論理的思考力・表現力を身につける
- コミュニケーション能力を身につける
自分の市場価値を棚卸しする
市場価値を棚卸しすることで、次の道が見えてくることもあります。
市場価値を棚卸しをするのに最も適した方法はリクルートエージェントのような転職エージェントに登録することです。
実際に、転職エージェントと会話をすると、次のようなことがわかります。
- 社内基準ではなく市場基準での自分の強みと弱み
- 自分の隠れた市場価値を発掘できる可能性
- 今の会社で伸ばすべきスキルの方向性
社内昇格に転職活動なんて関係あるの?
そんなふうに思ってしまがちですが、実は転職エージェントへの登録は、自分の社内価値を高める上でも有効なのです。
なぜなら、社外で広く使える強みを客観的に把握しておくことは、社内で昇格を目指す上でも大いに生きてくるからです。
時間を多少とられてしまうデメリットはあるものの、市場価値を再認識できる可能性を考えれば、ものすごく小さな投資ですし、何より金銭的な負担が一切ありません。
最近では、オンライン面談も増えているので、スキマ時間を活用しやすくなっています。
今すぐ転職する意思はなくても、エージェントは親身に相談に乗ってくれますよ。
関連記事:【情報収集だけでも可】転職サイト・エージェントに登録する3つのメリット
副業を通じて市場価値を上げるトライをする
最後におすすめしたいのが、副業をすることです。
私は、労働時間の切り売り型の副業ではなく、ビジネスオーナー型の副業を推奨しています。
理由はさまざまありますが、昇格という観点から言うと、たとえ副業であってもビジネスオーナーとしてビジネスを作れる力が、これから日系企業でマネージャーとして力を発揮するのに必須になるからです。
最近は在宅のスキマ時間でもできる副業も増えているので、トライしやすい環境が整っています。
まとめ
以上のように、単に頑張っているアピールをするだけでは、出世・昇格は難しくなっていきます。そのためには、以下3つのことを意識する必要があります。
- 社会人として最低限の勉強をしておく
- 自分の市場価値を常に確かめておく
- 副業を通じて市場価値を上げるトライをする
くれぐれも頑張っているアピールではなく、プロセスやアウトプットのアピールをするようにしましょう。
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