「これからマーケティングの仕事を目指したいのだけど、マーケティングって何を考えればよいの?」
そんな方に一番に覚えてほしいことが、マーケティング・プロセスです。
この記事では、マーケティングの基礎知識であるマーケティング・プロセスについて解説していきます。
マーケティング・プロセスとは
マーケティング・プロセスとは、内外の環境分析から、商品を売りたいターゲットを定めて、商品の位置づけを考え、商品の価格やプロモーションを策定するまでの一連の流れのことです。策定したマーケティング・プロセスが思うような結果を出せていない場合は、上流側へ問題点をフィードバックすることで、プロセスを見直していく必要があります。
※マーケティング・プロセスの一例
環境分析
マーケティングをする上では、まず始めに企業内外の環境を分析する必要があります。
PEST分析、5F分析、3C分析、SWOT分析といったフレームワークを使うことで、内外の環境を大雑把に把握することができます。
また、自社の分析では、PPM分析を使うと、各事業の市場での位置付けを確認することができ、大きな事業戦略の方向性を見出すことができます。
この環境分析によって市場機会の発見と、企業(あるいは部門)として目指すべき戦略目標、マーケティング目標の決定(複数ある場合は優先順位付けをし)をします。
セグメンテーション
セグメンテーションとは、マーケティング対象を類似の購買行動を持った集団(セグメント)に細分化することです。
近年では、万人向けの商品を万人に対して売りこむ事は効率的でないため、世代的な特性や地理的な特性に応じた戦略を組み立てていきます。
セグメンテーションによって、マーケティング目標を達成するのに、最も適したセグメントを発見していきます。
ターゲティング
ターゲティングとは、セグメンテーションの結果から、標的市場(ターゲット)を定めることです。
ターゲティングの段階で、ニッチな市場をターゲットにするのか、競合がひしめき合っている市場をターゲットにするのか、環境分析の結果も踏まえて判断していくことになります。
ターゲットを決める際に一般的に用いられるのが、製品・サービスという軸と顧客セグメントという軸になります。
ポジショニング
ポジショニングとは、標的の市場において、自社商品と競合商品を差別化して、優位な地位を築くための手法です。
ポジショニング策定では、一般的に2つの軸を選んでポジションマップを描き、自社商品と競合商品の位置付けを明確にし、自社の商品を顧客に魅力的に見せる方法を考えていきます。
ポジショニングを決定した上で、そのポジショニングを確立するための具体的な施策であるマーケティング・ミックスを立案していきます。
マーケティング・ミックス
通常、マーケティング・ミックスというと「マーケティングの4P」のことをいいます。
4Pの各要素(製品、価格、流通、プロモーション)は、定めたターゲットやポジションに整合しているかどうかで評価していきます。
4Pの打ち手というのは、思いつくがまま無限大に出てきてしまいます。
したがって、ターゲットやポジショニングといった上位の概念と整合の取れているものに絞って、その中でも効果の高い打ち手だけに経営資源を投下していくことが重要です。(特に、資金のない企業にとっては、無駄な投資は命取りになってしまいます)
マーケティングの4P
マーケティングの4Pとは、マーケティングの施策をPを頭文字とした4つに分類した、マーケティング管理のフレームワークです。マーケティングの4Pは、1960年代からあるフレームワークです。4Pの内訳は「製品(Product)」、「価格(Price)」、「流通(Place)」、「プロモーション(Promotion)」です。
これは、マーケティング版の5W2Hとも言えます。つまり、何(製品)を、いくら(価格)で、どこ(流通)に、どうやって(プロモーション)売るかということです。(ちなみに、誰はターゲット、いつは投入時期、なぜはそもそもマーケティング目標になります。)
4Pのフレームワークを利用することで、たとえば、「自社の売上をアップするにはどうするか?」といった課題に対する方策が考えられます。
製品・・・品質は十分か?ブランド力はあるか?
価格・・・高すぎないか?安すぎないか?
流通・・・流通に無駄はないか?欠品や過剰在庫になることはないか?
プロモーション・・・ユーザーへの認知は十分か?
4Pの各戦略については、次ページから詳しい解説をしていきます。
定量的な観点からとらえたマーケティング・プロセス