仕事術

PDCAサイクルとは?アクションプランの立案検証サイクル

PDCAサイクル アクションプランの立案検証サイクル

経営戦略の実行と振り返りをするためのフレームワークとしてPDCAサイクルがあります。

PDCAサイクルは、組織のあらゆるレベルで適用できるもので、トヨタ自動車ように現場レベルでPDCAサイクルを使うことが根付いている会社もあります。

この記事では、仕事ができる人になるために欠かせないPDCAサイクルについて解説していきます。

PDCAサイクルとは

PDCAサイクルとは、計画(Plan)から実行(Do)に移し、点検(Check)を行い、是正(Action)し、また計画(Plan)に落とし込むといった一連のサイクルのことを言います。

経営レベルから現場レベルまで、あらゆる場面において使われるプロセスを改善・進化させていくための手法です。

PDCAサイクル

PDCAサイクルを活用する際は、このサイクルの中で、定量的、定性的に戦略をコントロールしていく必要があります。

「仮説検証型経営」という言葉がありますが、まさにPDCAサイクルを活用した経営手法を示します。

PDCAの各ステップ

PDCAの各ステップの特徴と留意するべき点を解説していきます。

PLAN:計画

計画をするステップです。

このステップでは、まず計画の前提となる目標を決めます。

その目標に対して、現状とのギャップが明確になるので、そこから課題と課題解決ためのアクションに展開していきます。

計画を考えるときに大事なのは仮説です。

仮説を明確にした上で、計画を立てると、以降のステップで問題が起きたときに、振り返りをしやすくなるからです。

仮説思考に関しては、以下のページをご覧ください。

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DO:実行

計画したことを実行するステップです。

実行段階では、計画からブレークダウンされた具体的なタスクを実行していきます。

実行段階のタスクも、あとで振り返りしやすいように、できる限り行動の結果を目標にしておくことが大事です。

たとえば、100社とアポをとるという行動目標よりは、100社とアポをとって、10社と成約するという目標の方が、より結果を意識した目標になるでしょう。

CHECK:点検

DOの段階で実施したことを点検するステップです。

ここで、大事になるのが、当初の計画がどういう仮説(言い換えると前提条件)に基づいてやられていたか?です。

実行段階での結果が仮説どおりであればよいですが、もし仮説どおりでなければ、仮説に問題があったのか、仮説を検証するための行動に問題があったのかを検証する必要があります。

こうした行動の結果を失敗を適切に振り返ることが、組織や個人の力を高めることにつながっていきます。

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ACTION:是正

点検した結果を踏まえて是正するステップです。

点検の段階でしっかりと計画との差異を分析できていると、是正自体はそんなに難しくありません。

しかし、大事なことは是正した結果、仕組みとして根付かせることです。

単に失敗した、分析してこうしたらよくなった、ということで終わらせずに、一連のステップの中で学んだことを標準的なプロセスにすることで、次の成功の確率が上がるからです。

PDCAで大事な3つのこと

PDCAで大事なことが3つあります。

PLANで仮説を明確にする

PDCAの中で、最も時間を要するのはC(CHECK)です。

以下のページでも、問題解決手法を紹介していますが、これらの記事記載されているように、問題解決のために手順通りプロセスを進めていくというのは、大変な時間を要する作業なのです。

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そのためPDCAでは、時間を要するC(CHECK)が大事なように見えますが、実はCHECK以上に大事なプロセスがあります。 それは、P(PLAN)です。

先ほども書いたようにPLANの段階での狙いが曖昧だと、CHECKの段階で振り返るときに困難になります。

なぜなら、あるべき姿が曖昧だと、出た結果に対して、そもそも何がギャップなのかがわからなくなってしまうからです。

そうなると、CHECKのステップで行き詰まったり、一般論でCHECKの分析を終わらせたりしてしまうようになります。

そのため、PLANの段階で、仮説に基づいて、狙いを検証可能な形で立案することが重要になります。

成功したことも検証して定着を図る

PDCAは、問題解決にだけ使われるわけではありません。

もし、CHECK段階で問題がなければ(PLANどおりに物事が進められていれば)、ACTIONのフェーズでは是正ではなく、定着を図る必要があります。

たとえば、計画段階での想定とは違ったけど、結果としてうまくいった場合、それを振り返っておかないと、たまたま成功したという結果だけで終わってしまうからです。

このように成功したことにも理由があると考えて、その理由を掘り下げて、再現性の高いプロセスに落とし込むことで、プロセスがより強固なものになるのです。

PDCAのサイクルを早く回す

冒頭に書いたように、PDCAはサイクルになっていますが、そのサイクルを早く回すことが大事です。

一つひとつのステップを飛ばすことなく着実に進めることは大前提ですが、環境変化の激しいビジネスにおいては、素早く進めることも同時に意識していく必要があります。

成功をおさめている組織の多くは、このPDCAを高速に回し続けた組織であるとも言われています。

PDCAサイクルが必要なとき

PDCAは仕事の基本とされていて、多くの会社で、新人のときから刷り込まれている概念でもあります。

しかし、実際PDCAがきちんとできているのか?と問われると自信のない人も多いことでしょう。

そうなると、日常業務で闇雲にPDCAを使うのではなく、PDCAが特に必要なものに適用していくべきでしょう。

では、PDCAが特に必要なものとは何か?

それは、新しい業務、今までの仕事のやり方を大きく変える必要のある業務です。

通常のルーチン業務というのは、過去のPDCAの結果、定着しているものも多いので、あえてPDCAを意識する必要性は低いでしょう。

しかし、新しい業務は、まだ形が決まっておらず、絶えず修正を加えながら進化させてく必要があるので、このPDCAを活用するのに適しているというわけです。

まとめ

PDCAというのは、ビジネスパーソンになると必ず一度は耳にする言葉で、概念自体は大変シンプルなものです。

しかし、PDCAを愚直にサイクルとして回すには、大変な労力が必要で、そこには経営陣やマネージャーの強い意志が必要とされます。

そのため、多くの会社でPDCAが掛け声だけに終わってしまっているのが現状です。

しかし、逆に言うと愚直にサイクルを回すことは会社の強みとも言えて、PDCAが会社のDNAのようになっている「トヨタ自動車」などは、現場の隅々まで改善マインドが浸透しています。

冒頭に書いたように、PDCAは経営だけでなく個人レベルでも適用可能な概念なので、適用可能な範囲から積極的に取り入れて業務改善に取り組んでみてはいかがでしょうか。