新商品を導入するときの代表的な価格戦略としてスキミングプライシングとペネトレーションプライシングがあります。(それぞれの詳細は以下のページをご参照ください。)
この記事では、ペネトレーションプライシングの代表例として2018年5月に第三世代が発売されたスマートウォッチ「Mi Band」を取り上げていきます。
Mi Bandとは 製品紹介
Mi Bandは、日本のAmazonなどで買うと、第二世代が約3,000円、第三世代が約4,500円とウェアラブルの中では最安価の商品と言ってよいでしょう。(中国本土で買うともっと安いです)
時計としての機能に加えて、歩数計にもなり心拍数、睡眠時間の記録ができます。防水対応もしているので、時計をつけたままシャワーを浴びることもできます(入浴は推奨されていません)。
実際に買ったのがこちらです。
さすがに値段が値段だけあって、高級感はなく、おもちゃの延長のような感じです。しかし、時計として使って、毎日の歩数を記録するという用途であれば、試しに買って使ってみる価値は十分にある商品です。装着感がほとんどないので、本当に手軽に使えます。
Mi Bandの利益構造
では、この「Mi band」、果たして利益は確保できているのでしょうか。
私の経験からすると、物の原価構成から考えたときに固定費の吸収まで含めて利益は確保できていると踏んでいます。ただ、利益率が高いかというとそれは??でして、まさに早期に市場浸透させるためのペネトレーションプライシング戦略をとってきているのでしょう。
Mi Band 早期市場浸透の狙い
なぜシャオミは早期市場浸透を狙っているのか。鍵はスマートウォッチ機能に付随するアプリにあるのでしょう。シャオミは「Mi Fit」というアプリを展開しており、今回紹介しているスマートウォッチをはじめ、さまざまな電子デバイスと接続し、情報の同期や記録をできるようにしています。
「Mi Band」でいくと、先に紹介した歩数や睡眠時間などがアプリに記録され日時管理可能となります。そして、その情報はビッグデータとしてシャオミがもつことになるのです。「Mi Fit」を軸にした顧客の囲い込みをして将来より利益のとれる電子デバイスを販売したり、データそのものを価値として売り込んだりといったことも考えられます。
そう考えると、シャオミがMi Bandで採用したペネトレーションプライシングは大変理にかなった価格戦略といえるのでしょう。
Mi bandが気になる方は
スキミングプライシングの例
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