顧客の購買行動にはいくつかのタイプがあります。その違いは顧客の経済的な状況、価値観、その商品への思い入れなどによって変わってきます。
しかし、マーケティング戦略を考える上で、この顧客の購買行動をより具体的に考えるのは大変重要なことです。
この記事では、顧客の購買行動の中で一般的に見られるものを紹介していきます。
6つの購買行動類型
ここでは、6つの購買行動を紹介します。
類型1.上限価格制約型
上限価格制約型とは、決められた予算の中で最も良いものを買おうとする人です。生活の中での重要度は低い嗜好品を買うときに見られる購買行動パターンです(つまり生活のお金の中から余ったお金の中で、頑張って買うわけです)。したがって、いろいろな情報を吟味し、よく比較してから商品を購入します。
上限価格制約型が多くなる商品の例
スポーツ用品、デジカメ、プリンタなど
類型2.ブランド重視型
ブランド重視型とは、価格ではなくブランド重視で選ぶ人です。お気に入りのブランドでさえあれば、価格の高低は気にせず、安いものでも購入します。これはブランド力が大きく左右する商品を買うときに見られる購買行動パターンです。
ブランド重視型が多くなる商品の例
自動車、服、電化製品など
類型3.安価品購買型
安価品購買型とは、価格のみで商品を決める人です。この類型の人は、ブランドや製品の質にはこだわりがなく、値札を見て一番安いものを買っていきます。したがって、プライベートブランド品でも躊躇なく購入します。日用品などでよく見られる購買パターンです。
安価品購買型が多くなる商品の例
シャンプー、歯ブラシ、洗剤など
類型4.販売店重視型
販売店重視型とは、特定の販売店(もしくは販売店の店員)をよりどころにして商品を決める人です。この類型の人は、お気に入りの販売店で必ず購買し、販売員のすすめで購買する傾向があります。販売店の説明が必要な専門的な商品でよく見られる購買パターンです。
販売店重視型が多くなる商品の例
スポーツ用品、車、服など
類型5.商品品質重視型
商品品質重視型とは、商品品質が最もよいもの(通常は最も高価なもの)を買う人です。これはどんな商品においても、マイノリティとして存在する人たちです。
類型6.衝動買い型
衝動買い型とは、本来その商品を買う意思はなかったのに、購買チャンスが訪れたときに思わず買ってしまう人です。安価な商品でよく見られる購買パターンです。コンビニやディスカウントストアなどは、この衝動買い型の購買比率がかなり大きくなっています(むしろディスカウントストアは、売上のほとんどが衝動買い型によるものだと言われています)。
衝動買い型が多くなる商品の例
日用品、雑貨、食料品、書籍
購買行動類型の構成比率は商品によって異なる
通常は、上述の6つ購買行動パターンの人たちが、商品ごとに一定の割合で分布していると考えられます。もちろん、その割合は商品によって異なります。たとえば、高価なもので衝動買いは例外でしょうし、ブランド重視で日用品を買う人も割合としては少ないでしょう。
また、同じ商品でも企業やブランドによって、構成比率が異なる場合があります。たとえば、ホンダの車を買う人と、日産の車を買う人では構成比率が異なると思います。
いずれにしても、自社・他社の製品が、どんな購買行動によって購入されているのかを考えるのはマーケティング戦略を考える上で非常に重要になってきます。
顧客の購買行動については、AIDMAやAMTULなども参考になります。
購買行動類型はセグメンテーションでも使える
この購買行動の類型は、セグメンテーションを考える際にも活用できます。
セグメンテーションの詳細は、以下の記事に記載しています。
まとめ
顧客の購買行動を正しく把握できると、マーケティング上どのポイントに投資をすればよいのかがよりクリアになります。マーケティング戦略を考える方は、顧客の購買行動を推定・観察してみることにぜひトライしてみてください。
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