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ステージゲートシステムとは?評価項目を合わせて解説

ステージゲートシステムとは 評価項目・意味を解説

商品を開発する際に、一定のプロセスに従って進めると判断基準が明確になり、組織としても効率よくプロジェクトを進めることができます。

そのプロセスとして、世界的によく使われる仕組みがステージゲートシステムです。

このページでは、そのステージゲートシステムについて紹介していきます。

ステージゲートシステムとは

ステージゲートシステムとは、化学メーカーダウ・ケミカルによって開発された新商品開発プロセスのことです。(ステージゲート法、ステージゲート方式などとも呼ばれています。)

ステージゲートシステムでは、開発フェーズのことをステージ、ステージごとに定められた検証結果を関係者でレビューするところをゲートと呼びます。商品は、ゲートを通過したものだけが、次のステージへと進み、発売前のゲートを通過したものが市場に送り出されることになります。

各ステージでの検証項目と各ゲートでの承認者(責任権限)を明確にすることで、誰もが漏れなく商品販売までの検討項目を網羅でき、より市場での成功確率の高い商品を投入できるようになります。

会社ごとに運用ややり方が異なる部分はありますが、ステージとゲートという基本コンセプトは変わりません。

ステージゲートの基本概念

商品開発というのは、後工程になればなるほど改善余地が少なくなる一方で、改善に要するコストが増大していきます。以下のイメージ図を参照ください。

ステージゲートの概念

しかし、ステージゲートのプロセスを活用することで、筋の悪い商品企画をスクリーニングすることができます。

たとえば、初期のゲートで、アイデアレベルのものをスクリーニングし、さらに次のゲートで、プロトタイプを見ながら、さらにスクリーニングすることができます。初期段階であれば、設計を見直してコストを下げるといった議論も可能になります。

こうして、開発後工程で大きな費用をかけて改善要する事態を避けられるわけです。 ステージゲートでは、しばしば以下のようなアイデアスクリーニングのイメージが使われます。

ステージゲートでのアイデア・スクリーニング

ステージゲートの概念

ステージゲートの例

一般的な製造業におけるステージゲートの例を以下に示します。

ステージゲートの概要

G1とは、ゲート1を示し、以降ステップを進めるごとにゲートが2、3、4と進んでいきます。

各ゲートにおいてレビューする項目例は以下のとおりです。

担当部署 G1 G2
マーケティング ・事業環境分析
・市場ポテンシャル
・デザイン
・市場投入時期
・目標コスト
・収益計画ドラフト
・価格戦略
・廃番計画
・デザインコンセプトテスト
・搭載技術の評価
設計 ・使用技術検証
・技術開発可能性検証
・設計構想、使用部品
・設計スケジュール
生産 ・生産性予測
・内製or調達の決定
・生産場所
・生産キャパシティ検証
・コスト見積
品質保証 ・特になし ・特になし
承認事項 ・商品アイデア
・担当マネージャー
・デザインコンセプト
・試作着手
・プロジェクトメンバー
担当部署 G3 G4
マーケティング ・収益計画
・消費者テスト
・販促計画
・収益計画
・販促計画
・消費者テスト
設計 ・設計スケジュール
・技術ツール
・試作品評価結果
・最終設計
生産 ・生産性検証
・生産スケジュール
・生産場所
・コスト見積
・生産性検証
・生産場所
・最終コスト見積
品質保証 ・特になし ・量産品評価結果
・認証取得
承認事項 ・型投資
・収益計画
・試験生産
・本生産の開始
・販売計画
ゲート G5
マーケティング ・顧客からの評価
・収益結果
設計 ・不具合箇所の改善
生産 ・生産性
品質保証 ・不具合状況の確認
承認事項 ・販売継続

ステージゲートのメリット・課題

ステージゲートには、以下のメリットがあります。

  • 多くの商品開発アイデアがあるときに、ステージごとに選別して絞り込むことが可能
  • ステージごとに選別するプロセスなので、商品ニーズが不確定な段階でもプロジェクトキックオフができる
  • 開発途中で想定ターゲットとずれたときに、プロジェクトを止められる
  • 商品開発の判断基準が明確になる

一方で、以下の課題もあります。

  • テーマを絞るゲートキーパーの資質に左右される部分が大きい
  • 運用を誤ると、ゲート至上主義のような硬直化した官僚的なプロセスになってしまう

まとめ

ステージゲートは、商品開発の筋の良し悪しを測るのに大変有効な方法である一方、ゲート通過の判断をするゲートキーパーの資質によってその運用形態が大きく変わってきます。

ステージゲートのコンセプトのよいところをしっかり取り入れた上で、官僚的な運用にならないような配慮が必要となってきます。

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