仕事術

定例会議の問題点【実際に課の会議をなくしたことでわかった効果】

会議効率化に悩む管理職のみなさんは多いと思います。

この記事では、そんな管理職のみなさんに向けて、実体験に基づいて定例会議の廃止提案を書いていきます。

会議効率化はどの会社も抱える課題

近年、働き方改革という言葉が定着してきて、どの企業も経営課題として取り上げざるを得ない状況になってきています。

私が知っているだけでも、働き方改革の一環として取り組まれていることとして次のようなものがあります。

  • フレックスタイムの導入、またはコアタイムの縮小
  • 時間有給休暇の取得
  • 会議資料の削減、パワーポイント禁止
  • リモートワークの充実
  • 産休、育休などの制度充実
  • 有給休暇の取得推進

このように従業員が、個々の状況に応じて働いてもらえる環境を整えないと、企業は人材を集められずに、競争力を維持できないという事態にまでなってしまいます。

こうした働き方を見直す中で、会議の効率化も多くの会社で課題になっていることでしょう。

先ほど書いたようにパワーポイントを使わせないことにしている会社もありますし、それ以外に会議のルールを設定して、会議時間が長くならないようにする、会議を必ずしも対面でなくてもよくするなど、工夫を加えている会社もあります。

会議は何のためにやるのか

会議の目的はさまざまですが、最も重要な会議は意思決定をする会議で、あとはブレインストーミングのようなアイデア出しをするための会議があります。

情報共有のための会議もありますが、こうした会議は他と比べて相対的に価値が低く、廃止しようという風潮が多くの会社で見られます。

また、私の知り合いのある経営者の方は、

会議は人数が少なければ少ないほど、質が高くなり、最も重要なのは1対1の会議だ

と言ってましたが、私もその通りだと思います。

大人数で発言する人がいないような会議は、生産性の低い会議と言わざるを得ないでしょう。

加えて、私が会議の効率化を阻害しているものとしてあげたいのが定例会議です。

全ての定例会議は一度無くしてしまうべき

定例会議には、主に日次、週次、月次があります。2週間に一回という会議もあります。

日次の定例会議としては、朝礼や、日々の5分-10分のプロジェクト進捗確認などがあります。

この中でも特にプロジェクト進捗管理は比較的重要度の高い会議です。

なぜなら、危ない状態を1日でも放置すると、プロジェクト全体が滞る可能性があるので、日次管理で黄色信号のうちに手をうつことが大事になってくるからです。

一方で、週次や月次の会議には、次のような問題が潜んでいます。(経験上、特に週次会議で顕著です)

問題1.議題の重要度がばらつく

本来会議は特定の目的があり、その目的を解決するために召集されます。

定例会議には、重要な議題が含まれることもありますが、定例になっていると、議題がないのに、何かの共有のためだけに人を集めたり、一部の参加者にしか関係のない議題を無理矢理設定して会議を開催したりすることが起きます。

つまり、回によって重要度のばらつきがでるわけです。

問題2.主要メンバーが参加しなくなる

定例にすると、毎週の議題の重要度にバラつきが出てくると何が起こるでしょうか。

特に複数部門が参加する会議でよく見られる傾向で、重要度が低い議題が続くと、「私が参加しなくても大丈夫」となって、意思決定をするために重要な参加者が参加しなくなるケースも出てきます。

こうした事が続くと、定例会議で決めたい重要事項も決まらなくなってきて、会議自体の重要性も落ちてしまうのです。

問題3.定例会議でないと決められないと思い込む

「週1回の部内ミーティング」という会議を設定して、そこで重要事項を意思決定しようと決めると、なぜか知らないうちに、「その会議でしか決められない」と思い込むようになってきます。

設定している部長や課長はそんなつもりがなくても、担当者がそう思い込むようになっていくのです。

注意喚起していても、わざわざ会議を設定するのが面倒だとか、後で述べる5とも絡みますが、日程調整ができないなどの理由で、徐々に「その会議でしか決められない」となっていくのです。

問題4.問題を抱えている人が会議まで報告しなくなる

定例会議でなければ意思決定できないと思い込むと何が起きるでしょうか。

業務の中で、何か問題が起きたり、方針を決めないといけない事態になったりしたときに、通常であれば、そこですぐに人を集めて意思決定するべきことに対して、「来週の定例会議まで待とう」と考えてしまうのです。

問題5.主要メンバーの予定が定例会議で埋まる

部長、課長などの中間管理職はさまざまなプロジェクトの面倒を見る必要があります。

その中で、プロジェクトごとに定例会議をいくつも入れられると、中間管理職の予定は定例会議で埋まってしまうのです。

私も、課長時代に1週間の予定の半分が、重要度や議題が不明瞭なまま定例会議で埋まっている状態でした。

このために、4であげたように、重要事項を定例会議まで報告しない(というか、できない)状態にもなるのです。

これは私のマネジメント上も非常に大きな課題でした。

こうした1~5に挙げたことは、すべてスピーディーな意思決定を阻害する要因になるのです。この連鎖は以下のようにまとめることができます。

定例会議が問題解決のスピードを落とす

定例会議の弊害

会議の目的が意思決定をすることなのに、このような状態に陥ってしまったら、本末転倒です。

定例会議をなくすとどうなるか

定例会議をなくすと、上にあげた問題がなくなります。特に主要メンバーが定例会議から解放されることで、日程調整しやすくなり、何か問題が起きたときに速やかに対応できる体制ができます。

定例会議を無くすと問題解決のスピードが上がる

定例会議をなくすことで素早い意思決定ができる

特に定例会議の議長になるケースの多い部長や課長は、率先して定例会議を無くして、自らの時間をあけて、現場で起きている問題解決のための意思決定に多くの時間をかけられるようにすべきでしょう。

もちろん、法律で決められている会議まで無くすことはできません。

しかし、多くの会議は問題が発生した都度召集とした方が効率がよく、その方が召集する必要のある問題に限って会議を召集する風土ができます。

また、たとえ意思決定であっても、程度が小さければメールで済ませることにもなります。(メールでは判断しにくい案件であったとしても、次の会議まで待つということにはならないので、何らかのアクションができる)

まとめ

定例会議を無くすというのは大胆なようにも見えますが、まずは一度全部無くしてみて、本当に必要な定例会議だけ復活させるということでも問題ないと考えています。

私も管理職時代は、定例会議で1週間の予定を埋められることが続いていました。

そこで、思い切って定例会議を廃止したところ、会議で情報が入らなくなった分、自分から問題が起きそうな箇所がないか聞いてまわったり、現場を見たりして、会議をやるよりも早く問題解決のための打ち手を施すことができるようになりました。

会議がないので、部下の仕事の時間も増やすことができましたし、何かあったときにすぐに相談に乗れるようになったのです。

この記事を読まれた中間管理職の方には、定例会議を全廃してゼロベースで見直してみることをおすすめします。