先日、このようなツイートをしました。
自分で100万円を出して、100株の株式を持って会社を設立する(株価1万円)
最初の資金調達で1000万円を調達し、10株発行する(株価100万円)
これで自分の持分は100株×100万円で1億円になる
こうして資金調達を重ねるごとに自分の持分が5億円、10億円と増える
これが資本主義ゲームなんですね
— セーシン (@n_spirit2004) February 15, 2020
このツイートでは、投資家から出資を受けることで、起業家(=ビジネスオーナー)が早く富を築いていけるということを書いています。
これは、キャッシュフロー・クワドラントでも語られることです。
では、起業をしたビジネスオーナーがどのように富を築いていけるのか?
この記事では、独立・起業を考えている人に向けて、このあたりを深掘りしていきます。
起業が儲かる理由
起業家だからといって、必ず儲かるわけではありませんし、失敗のリスクももちろん高いです。
一方で、一度起業家を目指した人は、失敗しても何度も何度も起業をする傾向がありますが。
そこには先ほど書いた経済的な観点が理由としてありそうです。
もう少し掘り下げると、以下2つの理由です。
- 資金調達ごとに株価が上がるから
- 作った仕組みから得た超過利益は株主のものになるから
詳細を解説していきます。
理由1:資金調達ごとに株価が上がるから
起業が儲かる理由の1つ目を書くにあたって、先ほどのツイートに書いた意味を解説します。
100万円を出して、自分で100株を持ってビジネスを創業したとしましょう。
このとき、株価と企業価値は次のようになります。
発行株式数 | 100株 |
株価 | 10,000円 |
企業価値 | 1,000,000円 |
創業者の持ち分 | 100株(1,000,000円) |
この状態で、ある投資家Aから、この会社のビジネスアイデアが非常に面白いと感じてもらい、1000万円の投資を受けることになったとします。
ここで、株価10,000円だからといって、1000万円を調達するのに1000株を発行すれば、創業者の持ち分が10%以下になってしまい、その瞬間に会社の支配権をほぼ失ってしまいます。
これでは、創業者にとって都合の悪いことになってしまいますし、投資家にとっても創業者に頑張ってもらう方がメリットがあるので、お互いの利害が一致しません。
そこで、投資家が1000万円出すときに、次のように考えます。
「この会社の価値は100万円ではなく、1億円(1株100万円)として考えよう」
そうすると、1000万円投資をする投資家の株式数は10株になります。
ここで、投資前の評価額1億円のことをプレマネー、投資後の評価額1億1000万円のことをポストマネーと言います、詳細は以下の記事をご覧ください。
さて、会社の価値を1億円として考えた場合の、プレマネーとポストマネーを見てみましょう。
プレ | ポスト | |
発行株式数 | 100株 | 110株 |
株価 | 1,000,000円 | 1,000,000円 |
企業価値 | 100,000,000円 | 110,000,000円 |
創業者の持ち分 | 100株(100,000,000円) | 100株(100,000,000円) |
投資家Aの持ち分 | 0株 | 10株(10,000,000円) |
投資家Aから1000万円の投資を得たあとは、右のようになります。
ここで改めて創業者の株式の価値をみると、この時点で1億円になっています。
自分の会社に投資した100万円が、この時点で(市場で換金できないという制限はあるものの)1億円の価値になったということです。
このステージまで仮に半年程度で進むと、半年で資産が100倍になるということです。
さらに、1年後に投資家Bから1億円の調達をするとしましょう。
先ほどと同じように、ここで投資家Bが多くの株式シェアを持ってしまうと、経営コントロール上の問題があるので、ここでも持ち分をおさえるようにします。
たとえば、プレマネーを5.5億円(株価500万円)として考えることにします。
そうすると、1億円に対する株式数の割当は20株になります。
プレ | ポスト | |
発行株式数 | 110株 | 130株 |
株価 | 5,000,000円 | 5,000,000円 |
企業価値 | 550,000,000円 | 650,000,000円 |
創業者の持ち分 | 100株(500,000,000円) | 100株(500,000,000円) |
投資家Aの持ち分 | 100株(50,000,000円) | 10株(50,000,000円) |
投資家Bの持ち分 | 0株 | 20株(100,000,000円) |
これで、創業者の株式価値は5億円になります。
創業時に投資した100万円が、1年半後に5億円になるということです。
ここまで行き着くには、相当の努力も必要ですし、運も必要になってきます。
しかし、投資した100万円が、1年半後に5億円にできる投資案件など、世の中にはそうありません。
だから、こうした仕組みをわかっている人は何度も起業を目指すのでしょう。
私も自分で起業して、資金調達をしてみて、よくわかりました。
理由2:作った仕組みから得た超過利益は株主のものになるから
起業が儲かる理由の2つ目は、企業活動による超過利益は全て株主のものになるからです。
このサイトで解説している損益計算書の記事の中で、以下のような表を解説しました。
項目 | 主な分配先 | 企業支配力 |
原価 | 仕入先・(従業員) | 最も小さい |
販管費 | 従業員・(協力業者) | 小さい |
営業外費用 (主に金利) | 銀行 | やや小さい |
税金 | 国 | やや大きい |
役員報酬 | 経営者 | 大きい |
剰余利益 | 株主 | 最も大きい |
これを見てもらうとわかるように、株主は一番最後に利益配分されます。これは、言い換えると、それまでの費用を必要最小限に抑えることで、多くの超過利益を株主に配分できることを意味します。
つまり、優秀な仕組みを作って、効率的に経営をすればするほど、株主は儲かる形になります。(一般的には、創業初期においては経営者=大株主になります)
超過利益が全て懐に入ることに付随して、以下のようなツイートもしました。
大手を動かす起業家
先日会った起業家は1人で大手企業を相手に、製品企画+コンサル+国内外のメーカーのマッチングで年商億稼いでいました
原価・経費は相当少ないので、大半が利益です
大手企業で働いても稼ぎはそこそこですが、起業をして外から大手企業を動かせるのは最強かもしれません
— セーシン (@n_spirit2004) July 17, 2019
この方は、自分の会社で大手企業を上手に動かして利益を上げることで、その利益を全て自分の懐に収めてしまっています。
まとめ
以上が、起業をしたビジネスオーナーが儲かる仕組みでした。
- 起業をしたビジネスオーナーが儲かるのは、主に2つの理由がある
- 投資家を巻き込むことで、自分の会社の価値を急速に上げていくことができる(=自分の持ち株価値が上がる)
- 仕組みから生まれる超過利益は全て株主に帰属する(創業時は大抵起業した人が大株主である)
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