起業・副業

サラリーマンがビジネスオーナー型の副業を考えるときの5つのステップ

サラリーマンがビジネスオーナー型の副業を考えるときのステップについて、解説します。

この記事で書いたことは、主に以下の4点です。

  • 副業には労働力切り売り型、投資型、ビジネスオーナー型の3つがある
  • サラリーマンの副業としてはビジネスオーナー型を目指すのが一番よい
  • ビジネスオーナーになる経験はサラリーマンの仕事にも役立つ
  • ただし、軌道に乗るまでは時間がかかると思ってやるべき

ビジネスオーナー型副業を考える5つのステップ

ビジネスオーナーになるのは簡単ですが、上でも書いているように、軌道に乗せるには相当な努力を要します。決してラクではありません。

しかし、その苦労を乗り越えた先にラクがあります。

では、ビジネスオーナーになるためにはどうすればよいのか、そのステップを紹介していきます。

ビジネス領域の洗い出し

ビジネス領域は、「得意なこと」、「好きなこと」に絞るべきでしょう。それ以外のことだと、継続する難易度は格段に上がります。

なぜなら、副業を立ち上げるだけでも勉強することは多いので、自分の知らないビジネス領域を開拓することに力を割くのが難しいからです。

そうすると、まずは「得意なこと」、「好きなこと」の棚卸しをする必要があります。

しかし、いきなり「得意なこと」、「好きなこと」を挙げようと思っても難しいので、まずは自分のこれまでの人生の中で、経験してきたことをまとめてみましょう。

たとえば、次のようにまとめてみます。私が40代なので、40代サラリーマンを例にします。

  • 会社は産業機械のメーカーで、生産技術を●年、その後製品設計を●年
  • 35歳で係長になり、41歳で課長となった
  • 海外出張も何度か経験したことがある
  • 中間管理職として、経営方針を従い部下の面倒を見ながら課をマネジメントしてきた
  • 親は母親だけで高齢で一人暮らしをしている
  • 子供は2人で、上は小学生、下は幼稚園、妻はパートタイム

このような感じ、洗い出していきます。

次に、こうした経験の中で、自分は何が得意だったのか、何が好きだったのかを洗い出します。

  • 産業機械の設計から生産までのプロセスは全て網羅している
  • 海外出張もあったので、海外市場がどんなところかもわかっている
  • 課長経験から中間管理職の悩みが手に取るようにわかる
  • 業務プロセスを整備して、会社の標準プロセスにすることが得意だった
  • 高齢の親をもつ中年男性の気持ちもわかってあげられる
  • 2児の父親として、子育てに参加して、子育ての難しさをわかっている

このような感じです。実際には、もう出ないというまで、20も30も出すのがよいです。仕事だけでなく、プライベートや趣味まで含めて出すのが良いでしょう。

この中から、世の中に広くニーズのありそうなことを抽出していきます。

たとえば、以下のようにします。

  • 中小メーカーで業務プロセスを整備する助けができるかもしれない
  • 高齢の親をもつ中高年男性の不安を解消できるノウハウが提供できるかもしれない
  • 男親が奥さんを助けつつも効率的に子育てするためのノウハウを提供できるかもしれない

この中で、ビジネスの領域を決める軸は、自分が何時間やっても飽きない得意なこと好きなことがおすすめです。ここで儲かるからとか人気だからという理由で領域を選択すると長続きしませんので注意が必要です。(儲けること自体が好きな人であれば、ジャンルは問わないです)

私の場合は、人事労務が得意分野なので、人事労務領域で仕事をしよう

最初は、このような感じでよいです。

私の場合は、副業を始めたときに経営学や株式投資を学んでいたので、その知識を活用しようと考えました。

市場ニーズの確認

次にやることは市場ニーズの確認です。

一番簡単に市場ニーズを確かめる方法は、インターネットで確認することです。これなら足を使わずとも、ある程度情報が集まります。

インターネットで確認する際に、おすすめなのは以下の3つです。

この3つの使い方は以下のとおりです。

  • ビジネス領域に関連するワードを検索をする
  • 検索されている件数を確認する
  • 検索結果から、世の中の人がどのように困っているのか、どのような解決策があるのかを見てみる
  • これをいくつものワードで繰り返す

大抵の人は、Googleしか使いませんが、TwitterやYahoo知恵袋まで見ることがポイントです。このTwitterとYahoo知恵袋が大事な理由は以下の3つです。

  • Googleは、困りごとの解決策を出すのは得意だが、そもそもの困りごとのボリューム(=市場ニーズの大きさ)を出すのは苦手
  • TwitterやYahoo知恵袋には、リアルな人の悩みがストレートに表現されている
  • 特にTwitterは140文字制限があって気軽に投稿できるので、リアルな感情を綴ったものが多い

こうすることで、どのような困りごとがどの程度あるのかを大まかに把握することができます。

その他には、ネット上で仕事をマッチングできるクラウドワークスビザスクなどに登録して、需要を確認する方法もあります。実際に案件を受注してみながら、具体的なニーズを少しずつ明確にしていくのもよいでしょう。

中小企業で人事労務に困っているところが多そうだから、そこにサービスを提供しよう

このような感じで、大まかに決めてみるのもよいでしょう。(※あくまで考え方の一例ですので、実際にどのような仕事の需要があるかは、クラウドワークスビザスクに無料会員登録して確かめてみるのがよいです)

また、もう少し悩みを詳細に見たいなら、カスタマージャーニーマップを描くことで、より顧客の悩むポイントを解像度高く理解できるでしょう。

私の場合、当時勉強していた経営学や株式投資の知識をインターネットで発信して広告収入を得るというモデルを考えました。

競合の確認

次に競合を確認します。

悩みごとが羅列できたら、今度は解決策になりそうな想定製品やサービスを再度検索ワードとして準備します。そのワードを先ほどあげた3つの媒体に入れていきます。

そうすると、すでに同じような解決策を提供している人や法人がいるかどうかがわかります。

ここで、競合がいない⇒OK、競合がいる⇒NGと短絡的に判断してはいけません。

次のように考えましょう。

競合がいない困りごとや解決したいニーズがあまりにも特殊すぎて、市場規模が小さい可能性があるので要注意です。ただし、市場規模が一定数あるのであれば、先行者になれる可能性があります。
競合がいる有望な市場である可能性が高いです、ただし、次の問いの答えにYesが多ければ要注意です。

  • 競合が大手企業である
  • 小さな規模よりも大きな規模で展開する方がメリットのあるビジネスである

なお、このようなツイートもしていますが、個人の副業が戦っていく領域としても次の2つが向いています。

個人の副業であれば、大きな企業が参入しにくい領域にするか、大きな企業と連携できる領域を狙っていきましょう。

顧客へのアプローチ

このプロセスは大きくオンラインとオフラインの2つがあります。

オンラインとは、ネット上でアプローチすることです。消費者向けビジネスに向いています。たとえば、先ほどあげた例でいくと、以下の2つのようなビジネスです。

  • 高齢の親をもつ中高年男性の不安を解消できるノウハウの提供
  • 男親が奥さんを助けつつも効率的に子育てするためのノウハウの提供

特にTwitterはリアルな感情が掴みやすい媒体なので、こうしたビジネスに特化したアカウントを作って、フォロワーを作って発信しながら、よりリアルで具体的なニーズを確認してみてもよいでしょう。

もうひとつは、オフラインです。これは企業向けサービスをする際に役立ちます。

中小企業の人事労務のサービスだとオフラインのよいかもしれませんね。

このような場合、ネット上だと、なかなか情報を集めにくいので、リアルに人づてで聞いてみるしかありません。まずは会社の人や、友人・知人にそれとなく聞いてみるのがよいでしょう。

ネット上で気軽に情報が入らないということは、逆に言うと参入しにくい領域なので、参入後に激しい競争になりにくいビジネスになる可能性もあります。

いずれの形にせよ、見込み顧客を見つけて、その人達の声を聞くことで、ビジネスアイデアはよりブラッシュアップされていきます。

顧客の声を実際に聞くことで、リアルな市場規模もわかるようになりますし、ビジネスをより適切な方向性にしていくのです。

先ほど紹介した、クラウドワークスに登録して需要を確認してもよいですし、ビザスクのようなスポットのコンサルを仲介するサービスに無料登録して、需要を探してもよいでしょう。

どちらのサイトもメールアドレスと、簡単な情報を入力するだけですぐに登録できるので、登録して案件を見てみるだけでも価値はあると思います。

以下の記事にビザスク体験記を書きましたので、あわせてご覧ください。

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トライアル・アンド・エラー

ここまでのことは、あくまで仮説です。

一連のプロセスの中で、出てきた仮説を実際にアクションとして試してみて、想定顧客の反応を見ながら、ビジネスとして筋の良さそうなもの、ビジネスとしては筋の悪そうなものを見極めていきます。

このプロセスは早い人で3ヶ月、普通は半年から1年は見込んでおくべきです。

いずれにせよ、ビジネスオーナーになるとはいっても、最初から仕組みがあるわけではないので、最初はこのトライアル&エラーの段階で労働力を切り売りするしかないのです。

場合によっては、顧客との信頼関係を作るために切り売りどころか格安で提供しないといけないかもしれません。(ただし、コンサルタントで値段を安くつけるのは、あまりおすすめしません。理由は後で書きます)

また、値段を提示したら、顧客から感じるサービスの価値が値段と合致していないかもしれません。相手によっては無視されたり、冷たくあしらわれることもあるでしょう。

会社の看板で仕事ができるサラリーマンの仕事に慣れていると、こうした場面に遭遇することも少ないかもしれません。

しかし、ビジネスオーナーを目指す上では、乗り越えなければならない壁なのです。

それでも、1年くらいは我慢してやってみることをおすすめします。

私の場合は、検索エンジン(市場)と、そこから流入してくるユーザー(顧客)を絶えず分析して、打ち手を考えるというプロセスの連続でした。先ほど書いたように1年弱は、アルバイトの時給以下で作業をしていました。

大事なことは、労働力の切り売り型の仕事をずっと続けるつもりで始めるのではなく、最初は切り売り型でも最終的に仕組み化するビジョンを持ってビジネスを始めることなのです。

たとえば、中小企業の人事労務支援の場合、最初はあなたがコンサルタントとして汗水垂らして仕事をします。

そして、軌道に乗ってきたら、ネットで集客したり、人を雇ったり、ソフトウェアを作ったりして、自分が働かずに、仕組みの中でビジネスを動かせるようにしてしまう方法があります。

コンサルをやるときは自分を安売りしないことが大事

先ほど、コンサルティングの値段を安くつけるのはおすすめしないと書きました。

なぜなら、値段を安くしてしまうと、あなたにとって収入以外にも大きなデメリットがあるからです。

値段が安いと品質や価値に自信がないと見られる

値段というのは、シグナリング効果があります。

100円ショップで売られている雑貨と、800円の雑貨を考えてみましょう。

100円ショップの雑貨に対しては、高い品質を期待せずに、1年で壊れても仕方ないと思ううかもしれません。

モノならこれでよいかもしれませんが、コンサルティングの場合、商品はあなた自身になります。

安い値段をつけるということは、私は品質の悪い人間ですと宣言するような形になってしまうのです。

値付けについては、「サービスの価格戦略」をあわせてご参照ください。

自分のためにもならない

値段を安く設定してしまうと、アウトプットに磨きがかからなくなります。

つまり、「どうせ安い値段で働いているし、このくらいでよいか」という言い訳もできてしまうのです。

しかし、それなりの対価を設定すると、「お金をもらう以上、品質に妥協はできない」という感覚が生まれてくるでしょう。

毎月決まった給料がもらえるサラリーマンでは、こうした感覚を味わうことは少ないでしょう。

しかし、きちんとした対価をもらってアウトプットの品質に妥協しないという感覚を持つのはことは、副業にとって大変大事です。

さらに、その経験により、本業のサラリーマンとしても堂々と自分の価値を訴えることもできるようになるのです。

以下の記事に自分の給料をどのように要求するのが適切かを書きましたが、コンサルティングの値付けにも通じる部分があるので、参考にできるかと思います。

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まとめ

以上がサラリーマンがビジネスオーナー型の副業を考えるためのプロセスでした。

実はここに書いてきたことは、起業をしたり,会社で新規事業を作ったりするときの事業計画を作るプロセスと同じなのです。

したがって、最初は考えるのが大変ですが、こうした地道なニーズの確認が、将来の成功につながります。まずは、このプロセスに沿って試行錯誤してみましょう。

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