若手のビジネスパーソンの中には、上司に認められたい、上司に認めれられて早く面白い仕事をしたい、好きな仕事をしたい、少しでも昇進したいと思っている人も少なくはないでしょう。
では、課長の視点から見て頼れる部下とはどのような部下なのでしょうか?
この記事では、大企業で5年間課長を経験してきた私が考える、課長から見た頼れる20代部下の特徴を解説していきます。
上司は部下をよく見ている
社会人経験数年の20代前半から見ると、30代後半や40代の課長クラスの上司は、やや遠い存在に見えるかもしれません。
ましてや、部署に20人も30人もいると、自分のことなんて、大して見ていないのではないか?と思うでしょう。
しかし、上司の立場からは、景色が違って見えています。
普通の上司であれば、部下が仮に20人、30人いたとしても、一人一人の言動をよく見ているものですし、会話の機会が少ない中でも、わずかな会話の中から、部下の個性や考え方を読み取ろうしているものです。
それは、優秀な部下にチャンスを与えて、成果を出してもらい、昇進してもらうというのが、上司にとって大きな役目だからです。
だから、普段同僚同士で何気なく会話していることや、電話での立ち振る舞いなど、聞いてないようなフリをして、実際にはよく観察しているものです。
内容の詳細まではわからなくても、雰囲気は確実に感じ取っています。(ただ、これまでに何人か、本当に部下の言動に興味がないという方もいましたが。。。)
したがって、若手のビジネスパーソンは、上司から常に見られている、見られていなくても、立ち振る舞いの雰囲気を感じ取られているという意識をもっておいたほうがよいでしょう。
上司は常に忙しい
多くの部下を抱えるマネージャーともなると、日々忙しくなります。
部下から見える仕事だけでも、
- 部下の仕事の承認
- 資料確認
- 会議出席
などがありますし、
- 上から来た仕事を自分の言葉でかみ砕いて部下に伝える
- 仕事を細分化して部下にふる、経営に関係する重要なメールをさばく
- 現場で状況を代弁して上に伝える
など、部下から見えにくいところで結構な時間を使って仕事をしています。
また、昨今は課長レベルだと、プレーイングマネージャーとして、マネジメントだけでなく、自ら案件を抱えて推進するケースも多くなっています。(課長の仕事の詳細は、課長の役割について書いたこちらの記事をご覧ください。)
こうした忙しい状況の中で、本音のところでは、部下にあまり手を焼きたくないと思っている上司は多く、中間管理職同士の会話で聞かれる愚痴の中には、部下のマネジメントに関することも多く含まれるのです。
上司から頼られる部下の5つの特徴
上記のようなことを踏まえて、頼れる部下の特徴を5つ挙げていきます。
特徴1:上司をラクにしてくれる
まずは上司をラクにしてくれる部下です。
上司をラクにする部下は早く出世します
・添付を見なくても概要がわかるメール
・稟議決裁範囲に収まるよう見積書を分割
・上司の上司に説明しやすい要点がまとまった情報
・上司の苦手分野を「僕がやります」といって引き受ける姿勢言い換えると、上司の目線が見えているということです
— セーシン (@n_spirit2004) July 18, 2019
上司としての一番の望みは、部下が将来自分の代わりとなれる人材になってくれる、あるいは会社の中で重要なポジションになってくれることです。
単に上司が最低限やって欲しいと思っていることだけを器用にやるだけではない、プラスアルファのものが欲しいわけです。
ツイートにも書いたとおり、上司をラクにしてくれる部下というのは、上司の目線で物事を考えられるので、将来的に自分の代わりをできる存在として見なされるようになります。
特徴2.自分の意見を持った上で相談してくる
上司にとって困るのが、提案がないまま「どう思いますか?」とか「どうしましょう?」といって相談をしてくる部下です。
上司からすると、経験的に●●だなと思って、「●●してみてはどうか」と答えることは簡単ですが、それだと単に上司が思ったことをそのまま部下にやらせている状態になってしまいます。
また、本来であれば、その案件を一番わかっているはずの部下に対して、上司が経験だけで指示を出すというのは、上司としても一抹の不安を覚えてしまいます。
上司は現場の一次情報から遠いということが自分の弱みだとわかっているからです。
では、どうするとよいか、それは自分なりの意見をもとに提案を持っていくことです。
「**の方向がよいと思います。なぜなら++だからです。それに対して、どう思いますか?」と持っていくわけです。
上司としては、このように持ってこられると、仮に**という提案が、違うと思っても、そこで部下の前提条件である++は本当にそうか、仮に++が前提だとして、**の方向性だけが導かれる解か、など議論をできるのです。
こうすると、部下の提案をそのまま受け入れるにしても、部下の提案を修正して指示を出すにしても、議論によって課題への理解も深まりますし、部署としてより効果の高い打ち手を打てるようになるのです。
これは上司にとって、大変ありがたい話になります。
以下ツイートにも関連することを呟いていますが、上司は1次情報から遠いという弱みがあるので、そこを部下が補った上で提案できるのがベストです。
管理職になるとわかるけど、管理職の弱みは現場の一次情報から遠いこと
だから、部下が日頃から現場の一次情報を正確に上司に伝えて、意思決定の判断基準をすり合わせをしていると、実質的に権限を持っているのと同じ状況を作れる
部下は一次情報に近いことを強みにして、上司を上手に動かせばよい
— セーシン (@n_spirit2004) February 12, 2020
特徴3.自ら進んで勉強する
意見を持って相談と言っても、的外れな意見ばかり持ってこられても、それはそれで困ってしまいます。
往々にして、的外れな意見というのは、その仕事に対する理解が浅いことから起こるケースがあります。
そのため、自ら進んで担当している仕事やビジネススキルを勉強して、筋の通った意見を持てるような部下というのは大変ありがたいのです。
先ほども書いたように上司は常に忙しいので、部下がきちんと担当している仕事についての知識やトレンドを踏まえていると大変頼れるわけです。
よく勉強した上で、意見を持っていくと、ときに上司ですら気づいていなかったよい提案をできるかもしれないのです。
そうなると、上司からすると、次も難しい課題は彼・彼女にお願いしようとなっていきます。
特徴4.自部署の改善提案ができる
担当している仕事だけでなく、自部署について、もっとこうした方がよいという提案ができると、さらに頼れる部下となります。
なぜなら、自分の担当している仕事だけでなく、部署全体を気にしているということの表れにもなりますし、自分の成果だけでなく、マネージャー視点で部署を見ようとしている姿勢だからです。
ここでも、あまり現実味のない提案をしてはいけないので、自分がマネージャーだったら実行に移せるかという視点での提案が必要です。
部署のみんなが喜ぶ提案だからと、決してマネージャーを困らせるようなことばかり言ってはいけないのです。
もちろん、部署の改善ということを傘にして、自分の個人的な希望を出すようなこともしてはいけません。
特徴5.他部署に自分の意見をはっきり言う
ここは少し賛否の分かれるところですが、私の経験から、他部署にはっきり意見を言える部下も頼りにできると感じています。
経験の少ない若手は、他部署からやり込められると100%言うことを聞いて帰ってきてしまうということもあるでしょう。
もちろん、上司だって、若手はそういうものだと思っている部分もあります。
その上司の期待値を良い意味で裏切って、他部署に対しても意見をはっきり言える部下というのは、上司からすると頼れるものです。
他部署にはっきり意見を言うと、ときに他部署とのちょっとしたトラブルに発展するかもしれません。
しかし、他部署とのやりとりを穏便に済まそうとして現場の問題を見えなくするよりは、多少のトラブルがあっても、現場で起きている問題を顕在化できることは上司としては意外とありがたいものです。
そして、トラブルを起こした後に「××さん(上司)のおかげで、助かりました」と言っておくと、上司としてはまんざらでもないですし、そこで自分自身も存在価値を確認できるものなのです。
まとめ
頼れる部下というのは、上司をラクにした上で プラスアルファの光るものがある部下なのです。
ここに挙げた4つはあくまで私と私のまわりで聞かれた経験に基づくもので、他にもポイントはあるでしょう。職場の中で上司をよく観察して、自分なりのプラスアルファを見つけてみることをおすすめします。
もしかしたら、ここに挙げたような特徴を疎ましく思う上司もいるかもしれません。
そういう上司を持っている方は不運ですが、それでも上記のような行動をとることをおすすめします。
なぜなら、直属の上司は疎ましく思っても、他部署のマネージャーや上司の上司が見ていて、機会が開かれるケースが多いからです。
ただし、会社全体がこういう人材を歓迎できないムードであれば、会社を早く変える決断をするのがよいでしょう。
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