大企業が安泰という時代は終わりました。
「終身雇用守るの難しい」トヨタ社長が“限界”発言を見ても、明らかです。
そんな中、大企業勤務の30代、40代のサラリーマンは、こんなモヤモヤを抱えているのではないでしょうか。
「このままで、自分は大丈夫だろうか?」
結論から言うと、従来の考え方を変えていく必要があります。
この記事では、大企業勤務の30代、40代のサラリーマンに向けて、これからやっておくべき5つのことを解説していきます。
関連記事:勤務15年の経験者が感じる【大企業のメリット・デメリット】
日本企業の年齢構成
多くの日本企業が今直面している課題があります。それは、日本の人口構成とも密接に関わっているのですが、従業員の高年齢化です。以下の図は総務省統計局が発表している2015年の人口ピラミッドです。
引用元「総務省統計局」
2015年現在でこの状態なので、本日2018年時点では、40代中盤(44-47歳)の層が大変厚く、30代、20代となるにつれて人数が減少しているのがわかります。当然ですが、日本の多くの企業も大なり小なりこの人口ピラミッドに沿った年齢構成になっていると思います。
近年特有の現象・課題
このピラミッドと、私の勤務経験から、従来には見られなかった現象や課題が起きています。
役職が年齢とともに上がらない
昔は理想的な人口ピラミッドだったので、年齢とともに役職は上がるものとして捉えられてきましたが、今それを望むのは無理があります。
すでに企業の年齢構成のボリュームゾーンが40代中盤なので、昔だったら課長くらいにはなれた年齢でも、今は多くが平社員だということになります。
企業全体の活力低下
理想的な人口ピラミッドのときは、活力のある若い世代とそれを引っ張るベテランという構図が成り立ちましたが、現状は上述のように多くが40代です。
こうなると、企業自体の活力も低減して、全体として成長意欲も少なります。
加えて、大企業のように入社からずっとその会社で勤務している人が多いとなると、仕事にも飽きが出てくる中年世代が、年齢層の中心となっているわけで、活力を上げるのが大変難しい状態になります。
上記の状態はさらに深刻になる
人口ピラミッドというのは、基本的にその形状がそのまま上にシフトします。
移民でも受け入れない限りは1年2年経って、いきなり30代の層増えるということにはなりません。
そうなると、今中心となっている40代中盤の人は、やがて50代となり、定年延長もあって、下手をすると企業によっては、社員の半分以上が50代という時代もやってくるわけです。
実際、私も大企業で働く中で、中堅社員から以下のような声が聞かれました。
「仕事の中で目指すことが見えなくなってきた」
「同じことの繰り返しで、徐々に仕事に飽きを感じるようになってきた」
「このまま仕事をしていても出世できる感じがしない」
こうした状況を考えたときに、今30代、40代の人たちは、これから何を考えて仕事をしないといけないのか?
私の経験と観察によるポイントを年代別にまとめてみました。
30代の人がやるべき5つのこと
40代の人と違って、30代の人は、会社の中で地位を高めるチャンスが残っています。
また、今から準備をすることで、仮に会社の地位は上がらなかったとしても、40代でもっともっと活躍できる人材になられるでしょう。
勉強によってスキルアップを図る
ビジネスパーソンが基礎として勉強すべき領域は4つあると思っています。
- ビジネス基礎知識
- さらに深く、広い専門性
- 論理的思考力・表現力
- コミュニケーション能力
関連記事:【おすすめ分野は?】社会人になっても必要な勉強【メリット・継続のコツ】
ビジネスパーソンがスキルを身につけるのにおすすめしたいのが、シリコンバレー発祥のオンライン学習プラットフォームUdemyです。
Udemyなら、15万以上の講座の中から自分に最適な講座を見つけられる(海外の英語の動画も字幕付きで学べる)のがメリット。
購入前にレビューを確認できる上に、万が一満足できなかったときのために30日間の返金保証があるのが安心材料です。
もっと詳しく>>Udemyでビジネスのスキルアップにおすすめ講座
専門性を磨く
自分は〇〇の専門家であると自信を持って言えるものを構築するのも大事です。
たとえば、企業法務のプロである、ベトナム市場のプロである、マーケティングのプロである等々、分野何でもOKです。
軸とする専門性を磨くことで、将来的な人材の市場価値を高めることができます。
可能な方は上記を掛け合わせて複数の専門性をもつのもよいでしょう。
専門性を考える上での軸としては、以下の本も参考になります。
仕事でチャレンジをする
30代なら、まだまだ失敗を恐れずにチャレンジできる世代です。
少なくとも30代のチャレンジは失敗しても、それを糧にして立ち直ることはできますし、そのプロセスそのものが貴重な財産になります。(私は何歳でもチャレンジして失敗できるとは思っていますが)
市場価値を棚卸ししてみる
市場価値を棚卸しすることで、次の道が見えてくることもあります。
市場価値を棚卸しをするのに最も適した方法は、リクルートエージェントなどのキャリアコンサルタント(転職エージェント)に相談することです。
30代だと、転職市場での選択肢もまだまだ豊富なので、今すぐ転職するつもりはなくても、登録して動向を探っておくだけでもスキルの磨き方が変わってきます。
実際に、転職エージェントと会話をすると、次のようなことがわかります。
- 社内基準ではなく市場基準での自分の強みと弱み
- 自分の隠れた市場価値を発掘できる可能性
- 今の会社で伸ばすべきスキルの方向性
時間を多少とられてしまうデメリットはあるものの、選択肢を広げられる可能性を考えれば、ものすごく小さな投資ですし、何より金銭的な負担が一切ありません。
最近では、オンライン面談も増えているので、スキマ時間を活用しやすくなっています。
今すぐ転職する意思はなくても、エージェントは親身に相談に乗ってくれますよ。
関連記事:【情報収集だけでも可】転職サイト・エージェントに登録する3つのメリット
いやいや、転職なんてハードル高いよ
と思う方は、日本初の転職トレーニングサービスに無料相談する手もあります。
体力をつけておく
やがて訪れる40代に備えて、30代のうちから体力作りをしておくことをおすすめします。
水泳、ランニング、ジム、スポーツ等々、何でもよいです。
自分に合った運動習慣をつけることで、体力の低下を食い止めることができます。
40代の人がやるべき5つのこと
会社内で自分の置かれている立場を理解する
まず、会社内でどのような立場に置かれているかを冷静に分析してみてください。自分は課長どまりか、部長どまりか、役員になれそうか、はたまたずっと平社員からは何となくわかってくると思います。
自分の目指すポジションを決める(場合によっては出世を諦める)
立場が理解できると、自分の目指すポジションが決まってくるでしょう。役員が目指せる立場にある人は、それを狙えばよいですし、平社員しか見えない人は、そのまま出世を諦めて平社員として生きていくと決めてしまった方が楽です。
50代になっても重宝される人材を目指す
どのようなポジションを目指すにしても、大事なことは50代になっても重宝される人材を目指すことです。
たとえば、平社員のままの人でも、特定の取引先との信頼関係を強固にしておくとか、何かの分野について社内で右に出るものがいないくらいの状況を作ることもあります。
一方で役員を目指す人も、単に役員という肩書になることを目指すのではなく、社外に広く人脈形成をしたり、部門改革などでリーダシップを発揮したりすることが大事です。
また、40代になると部下を持っている人もいるでしょうが、部下に仕事を任せきりにして実務能力が衰えてしまうと、誰かがサポートしてくれないと仕事ができない人材になってしまうので、実務能力が衰えないように意識する必要があります。
会社以外の楽しみを見つけておく
40代の人は、自分の時間を会社だけに使わないように注意しましょう。
若い頃のように仕事に没頭していると、今いる会社で仕事ができるだけの人間になってしまいます。
出世を諦めた人も、出世を目指す人も会社以外の楽しみ(ボランティア、副業、趣味など)を見つけておくことで、50代からの人生をより豊かにすることができます。
思い切ったチャレンジをしてみる
会社に長くいると、慣れも出てきますし、やり方もわかってくるので、比較的ラクに仕事をこなすことができるようになります。
しかし、このラクにこなす状態というのは危険で、このような状態で仕事をしていると、ほとんど能力が伸びていくことはありません。
私は40代こそ思い切ったチャレンジを考えてみることをおすすめします。今までの実績を買ってくれる会社は意外とあるものだからです。
実際、私は40代スタートアップに転職できましたし、私のまわりでも40歳を超えてから転職するケースが出てきてます。
最近私の周りの40歳を超えた人たちが、「40歳定年制」にならうかのように相次いで大企業を辞めて新たなチャレンジを始めている
35歳転職限界説なんてあったけど、世の中変わってきたね
10年後の自分から見れば今の自分は10歳若いと思ってチャレンジあるのみ
何かをやるのに遅すぎることはない❗️
— セーシン (@n_spirit2004) January 18, 2019
上記ツイートに対して、このような反応を頂きました。
欧米ではミドル世代からのスタートアップは多い。
日本でも40~50代の人が積極的に起業すれば底辺はさらに広がるはずなんだ。
若さに代わる経験やノウハウ、実績、人脈というリソース。埋もらせちゃダメだ。
ミドル世代のスタートアップに投資するVCやファンドだってある。
立ち上がれミドル! https://t.co/BncbmdIvZZ— イトウ·マサアキ@start up界隈🚀×BizDev💡 (@itomasakun) January 29, 2019
私もその1人です。
組織人として約20年。
4社経験。
折り返しであり、色々な立場で物事・人も捉えられる時期ですからねー
日々学びは継続ですが、同年代のチャレンジを耳にするだけで応援したくなります。 https://t.co/83iQmzb18s
— ひろ (@ht1976yt) January 29, 2019
アクションを起こさずにズルズルと50代になるのを待っていると、全く身動きがとれずに会社に身を委ねるだけとなるかもしれません。
とはいえ、いきなり独立・起業はハードルが高いので、まずは副業から始めてみてもよいでしょう。
40代の経験・知見を求めているクライアントは多くいますし、企業側(発注者)とマッチングするプラットフォームも増えています。
また、在宅のスキマ時間で始められるものも増えているので、まずはこの機会に登録(無料)だけするのはアリです。
もっと詳しく>>在宅のスキマ時間にできるおすすめの副業
また、副業よりはハードルが高いですが、転職エージェントに登録してみるのも一手です。
自分の能力を高く買ってくれるのは、どんな会社なのか?を知っておくだけでも、50代に向けてのキャリアの選択肢を増やせますよ。
40代だと、「ビズリーチ!」のCMでおなじみのビズリーチがおすすです。
私もビズリーチに登録していたおかげで、40代で大手企業からベンチャー企業への転職機会を掴むことができました。
関連記事:40代転職の現実【成功の決め手は?使った転職サイトは?】
まとめ
従来の年功序列型では、年齢とともに地位が上がっていくというのが一般的な出世パターンでしたが、人口ピラミッドからも明らかなように、今後はそうした前提は成立しなくなります。
そうなると、地位に関係なく日々の仕事を楽しんで取り組めるようになることが大事になってくるでしょう。みなさんも、まわりの状況に流されることなく、スキルを磨くことで、充実した生活が送れるのではないかと思います。