中国では、Microsoft系のアプリは使えても、Google系のアプリやTwitter、Line、Facebook、Instagramなどは規制されていて使えません。そのため、中国でも日本で使っているアプリを使うためには事前に対策を考えておく必要があります。
中国では使えないアプリ・サイト | 日本でも中国でも使えるアプリ・サイト |
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一方で、中国には中国人がよく使うWechatやWeiboなどのアプリがあります。
この記事では、中国への出張・滞在経験から、中国で使えないアプリと使えるアプリについて解説していきます。
関連記事:中国出張で必須の持ち物・サービス【60回以上の出張経験からのおすすめ】
日本で使えるのに中国では使えないアプリ・サイト

日本で一般的に使えるサイト・アプリの中で、中国では使えないものは以下のとおりです。
ネット検閲により中国では使えないアプリ
- Line
- Google (Gmail、検索エンジン、Google Driveを含むGoogleのサービス全般NGです)
- YAHOO検索
- Amazon Japan(接続できることもありますが、接続が不安定です)
- Dropbox
- Wikipedia
- YouTube
- ニコニコ動画
- その他の動画サービス(Netflix、Hulu、U-NEXT、FODなど)
- ChatGPT
見てわかるとおり、日本人がよく使っているサイトやアプリはことごとくNGです。
これらのアプリは、すでに中国国内で代替アプリも多数あるので、今後使えるようとは考えにくいです。
日本でも中国でも使えるアプリ・サイト

次に日本でも中国でも使えるサイト・アプリです。
日本でも中国でも使えるアプリ
- 電話番号によるテキストメッセージ
- マイクロソフト関連のサービス(Outlook、Bing、One Drive、Teamsなど)
- Skype(使えるケースと使えないケースが混在しています)
- YAHOOメール
- Zoom
- Slack(ただし、アンドロイドユーザーはスマホアプリがストアに表示されないため、スマホアプリのダウンロードができません)
- WebEx
- Trello
中国では使えないメッセージアプリは多数ありますが、スマートフォンにデフォルトで入っているテキストメッセージのアプリは問題なく使えます。
ビジネスツールでは、OUTLOOKなどのマイクロソフト系は問題なく使えて、One DriveやTeamsなども中国では利用可能です。
ビデオ会議ツールだと、Teams以外にもZOOMやWebEXも問題ありません。
実際に毎週のように中国との会議でZOOMを使っていますが、まったく問題なく使用できています。
公式サイトに掲載されている「中国でZoomミーティングは使えますか?」という質問に対しても
中国でZoomは利用可能です。
中国・日本間でのZoomミーティングの利用実績があります。
公式サイトより
と明確に書かれています。
また、コミュニケーションツールのSlackや、Trelloなども使えることを確認しています。
ただし中国では、今は使えるアプリでも、将来使えなくなる可能性があることには注意しましょう。
そのため、常にどのアプリが使えるのか?最新の情報を仕入れておく必要があります。
中国の地域によってZOOMの回線が不安定なところがあるようです。また会議はできますが、中国から新規にアカウント登録する際には、VPNが必要なケースがあります。 関連記事:中国で使えるおすすめVPN
中国人がよく使うアプリ・サイト

中国にいる人と連絡をとるときは、現地の中国人がよく使うサイト・アプリを使った方が圧倒的に便利です。
中国の人がよく使うのは、以下のようなサービスです。
中国人がよく使う中国のアプリ
- WeChat(中国版Line)
- Dingtalk(中国版Skype)
- VooV(中国版ZOOM)
- Weibo(中国版Twitter)
- Tiktok(ショート動画サイト)
- YouKu(中国版YouTube)
- Baidu(検索エンジン)
- 天猫(T-mall)や京東(JD)(インターネットモール)
- タオバオ(C2Cマーケット)
- アリババ(卸売マーケット)
Wechatは、ほぼ100%の中国人が使っているアプリで、中国人とよく連絡を取り合う日本人もほぼWechatを活用しています。
Lineのように、テキストのやりとりや、音声通話、ビデオ通話などが可能です。
仕事上のコミュニケーション+ビデオ会議を目的とするなら、SlackやSkypeのような機能が搭載されているDingtalkが使えます。
ZOOMのようなWeb会議ツールを使いたいなら、中国内ではZOOMよりも安定感があるVooVというアプリがあります。
VooVは、Wechatと同じテンセント社が開発したアプリです。
Weiboは中国版のTwitterですが、コミュニケーションツールとしては使いにくいので、Wechatほど積極的には使われていません。
Tiktokは中国発の動画シェアアプリで、中国版と世界版があります。
その他、検索エンジンはBaidu、ECサイトは天猫や京東、タオバオなどあります。
中国で使えないアプリを中国で使う【4つの方法】
中国に長期滞在する人なら中国人向けのアプリだけでも問題ないかもしれませんが、中国に滞在・出張する人の多くは以下のような悩みを抱えています。
「家族や友達と連絡をとるのに、日本でも使っているアプリを中国でも使いたい」
「中国で使えるはずのアプリなのに、回線が安定せずにつながらない」
そこで、日本で普通に使えているアプリを中国でも使う方法を4つ紹介します。
方法 | 滞在頻度 | 滞在期間 | 料金 | こんな人におすすめ |
VPNサービス | 駐在、高頻度 | 長期 | 400~1000円/月(13~33円/日) | 駐在員、長期出張者 |
レンタルWIFIルーター(イモトのWIFI) | 1-4回/年 | 2-4日/回 | 1,480~1,780円/日 | 頻度の少ない出張者 |
香港SIMカード | 5-6回/年 | 5日以上/回 | 1,500円/週+端末料金 | 頻度の多い出張者 |
ahamo | 頻繁 | 15日以内 | ゼロ(日本の格安携帯料金そのまま) | 日本の携帯をそのまま使いたい人 |
関連記事:中国でLine、Google、Facebook、Twitterなどを使う方法
方法1:駐在者や高頻度の渡航者向け「VPN」
VPNとは、バーチャル・プライベート・ネットワーク(Virtual Private Network)のことです。
VPNサービスを使うと専用サーバーを経由することで、中国政府の検閲を回避してLineやFacebookへのアクセスが可能になります。
VPNサービスには、中国での実績が豊富な会社、世界的な大手、日本の会社などさまざまです。
詳細は、中国で使うのにおすすめのVPNまとめをご覧ください。
方法2:短期渡航者向け「イモトのWIFI」
通信会社でVPNサービスのついているポケットWIFIを借りることができます。
たとえば、出発当日の空港で手軽に受け取りができるイモトのWIFIなどです。
中国はLINE使えないけどイモトのWiFiあれば使えるよ
— 眠れぬ森の妖精 (@Sr1_Lanka) November 25, 2019
イモトのWIFIには日本のサービスを中国で使うための特別回線プランがあり、容量が500MB/日で1,480円/日、容量が1GB/日だと1,780円/日で借りられます。
方法3:高頻度の渡航者向け「香港SIMカード」
出張頻度の多い人には、香港SIMカードもおすすめです。
香港は中国本土の検閲対象エリアではないので、香港を経由することで外国のサービスにアクセスできるようになります。
香港SIMカードをSIMフリーの携帯電話かWIFIルーターに差し込むだけなので、とても簡単です。

たとえば通信容量が12GBあるタイプなら、滞在期間が多少長くても安心して使えます。
方法4:ahamoユーザー向け「ahamoのローミング」
面倒な準備をしたくないという方は、携帯のローミング機能を使えば、普段使っている携帯をそのまま海外で使えるようになります。
デフォルト設定では、ローミングはOFFになっていますが、これをONにすることで、日本の通信会社を経由して、インターネットにアクセスすることができます。
ただしローミングは、1日あたり1,000円~2,000円ほどの通信費用が別途かかることが大きなデメリットです。
そのようなデメリットを解消してくれるローミングサービスを提供しているのが、NTTドコモの格安サービスahamo(アハモ)です。
ahamoだと、標準プランの中に20GBのデータ容量の範囲なら中国でも追加料金なしでローミングできるサービスが含まれています。

出典:ahamoの公式ページ
ahamo(アハモ)は日本国内で使うだけでも十分にお得にできることに加えて、中国(海外)での利用も実現できる一石二鳥の手段といえるでしょう。
関連記事:中国でLine、Google、Facebook、Twitterなどを使う方法
まとめ
以上、中国で使えるサイト・アプリと使えないサイト・アプリの解説でした。
- 日本で使えるLine、Facebook、Google系のサイト・アプリは、中国では使えない。特にSNS系のアプリは全て使えない。
- 日本で使えるマイクロソフト系のサイト・アプリは、中国でも使える。
- 一部コミュニケーション用のアプリも中国ではPC版のみ使える。
- 中国には中国専用アプリが多く、Wechatは日本人でも多くの人が使っている。
- 中国でも日本で使っているアプリを使いたい場合、おすすめの方法は4つ。詳細は下表を参照。
方法 | 滞在頻度 | 滞在期間 | 料金 | こんな人におすすめ |
VPNサービス | 駐在、高頻度 | 長期 | 400~1000円/月(13~33円/日) | 駐在員、長期出張者 |
レンタルWIFIルーター(イモトのWIFI) | 1-4回/年 | 2-4日/回 | 1,480~1,780円/日 | 頻度の少ない出張者 |
香港SIMカード | 5-6回/年 | 5日以上/回 | 1,500円/週+端末料金 | 頻度の多い出張者 |
ahamo | 頻繁 | 15日以内 | ゼロ(日本の格安携帯料金そのまま) | 日本の携帯をそのまま使いたい人 |
関連記事:中国出張で必須の持ち物・サービス【60回以上の出張経験からのおすすめ】