中国でのVPN利用は規制されていて、許可されていないVPNは違法となりますが、個人で楽しむ範囲では摘発されるようなことはまずありません。
この記事では、中国におけるVPNの違法性と、利用実態について詳細を解説していきます。
結論:個人的に利用する分には極めてリスクは低い
中国では政府が認めたインターネット回線以外は使ってはいけないと法律で定められていて、VPNもその対象とされています。
しかし、この法律は個人よりもむしろ企業向けのものと考えられています。
実際に当サイトの管理人も中国に滞在中はいつもVPNを使っていますし、中国にいる日本人や中国人の知り合いでVPNを使ってYouTubeなどにアクセスしている人を何人も知っています。
しかし、そのようなVPNの利用を理由にして取り締まりの対象になった話は聞いたことはありません。
中国のネット検閲の目的
VPNの取り締まりに関して考えるには、中国が行っているネット検閲の目的を考えてみるとよいでしょう。
中国がネット検閲をする目的は大きく2つです。
- インターネット上で行われる政府に対する組織的な批判を防ぎたいから
- 通信産業を国の重要産業としているので、外資の参入を排除して自国のサービスを成長させたいから
これらの目的に照らして考えると、以下のような行為は中国政府としても看過できなくなると容易に想像できます。
- VPNを使って海外の情報を入手して、それを元に大々的に政府批判を展開する
- 外資のネットサービスの利用を大々的に宣伝する
- VPNを使って商売をする(YouTubeの動画を配信してお金を得るなど)
逆に言うと、目的に照らして無視できる話であれば、VPNを逐一取り締まる必要はないのでしょう。(とはいえ、VPNサービス自体にアクセスできないように、ときどき取り締まっていることはあります。)
もっと詳しく:VPNは違法か?合法か?【VPNの使用を規制している国】
中国でVPNを使う際の5つの注意点
VPN規制の目的から考えると、中国でVPNを使う際には以下の点に注意するとよいでしょう。
- 個人で密かに使う(大々的に人に勧めたり、拡散したりしない)
- VPNを使って収益を得ない
- 海外のネットから仕入れた情報をむやみに拡散しない
- 政府に対する批判的な言動を避ける
- 無料VPNを避ける
それぞれ詳細を解説していきます。
個人で密かに使う
規制の目的から考えると、個人で密かに使う分には安心です。
SNSで友達に大々的に勧めたり、拡散したりすれば、目をつけられる可能性がありますが、個人で利用している分には、政府としても特に害を感じないからです。
VPNを使って収益を得ない
VPNを使って収益を得るのも避けましょう。
VPNを提供するビジネスをすることはもちろん、VPNを利用して海外から仕事を請け負うことも避けたほうが安全です。
実際に以下のようなニュースもあったので、VPNを利用して収益を得るようなことはやめておきましょう。
中国のプログラマーがVPNを使用して中国のインターネット検閲システムを回避し、海外のソフトウェアプロジェクトに参加していたことが同国で発覚したそうだ。このプログラマーは、GitHubなどを通じて受注業務を行っており、河北省承徳市の公安当局は彼に対して、VPNの使用に対する4000円の罰金と、不当な所得を得たとして3年余りの収入にあたる105万元(約2100万円)の没収を命じたという
VPN使い海外と仕事の中国プログラマ、違法な仕事として3年間の所得2100万円没収
国外のネットから仕入れた情報をむやみに拡散しない
海外のネットから仕入れた情報をむやみに拡散することも避けましょう。
たとえば、YouTubeで見た動画をSNSで拡散する行為は、「私は違法なVPNを使っていますよ」と宣伝しているようなものなので、避けたほうがよいでしょう。
政府に対する批判的な言動を避ける
海外のネット情報の中には、中国政府に批判的な言動をしているメディアも少なくありません。
そのようなメディアが報じる情報の中には、中国国内では報道されていない内容もあります。
こうした情報を元にして、政府に対して批判的な言動をすると、違法VPNを利用していることを理由に不利益を被ることになるかもしれません。
無料VPNを避ける
そもそも無料VPNは、安全性やプライバシー、サービスの継続性の観点から利用はおすすめできません。
しかも、中国で使える無料VPNサービスの場合、入手した個人情報やネット閲覧履歴を中国政府に流している可能性も考えられます。
VPNを使うなら、有料で、かつ中国で長年の実績があるサービスを利用することをおすすめします。
中国でおすすめのVPN3選
中国では、国外のVPN利用が禁止されているため、中国にいる間にVPNを契約するのは困難です。
したがって中国でVPNを使いたい場合は、中国に到着する前にダウンロードしてインストールしておきましょう。
また中国政府は定期的にVPNをブロックしているので、そのブロックの網を上手に逃れているサービスを選ぶ必要があります。
中国では以下の3つのサービスがおすすめです。
- 中国での圧倒的な安定感を求めるなら ⇒ 12vpn
- 通信速度を求めるなら ⇒ ExpressVPN
- 純日本製で日本語対応の安心感を求めるなら ⇒ MillenVPN
12vpn | ExpressVPN | MillenVPN | |
年間利用料:円 | 11,868 | 8,808 | 6,480 |
無料お試し・返金保証 | 14日 | 30日 | 30日 |
サーバー数:台 | 非公開 | 3,000以上 | 1,300 |
設置国:カ国 | 31 | 105 | 50 |
日本語対応 | |||
同時接続:台 | 6 | 8 | 10 |
中国での安定感 | 抜群 | 安定 | 安定 |
通信速度 | 速い | 高速 | 速い |
いずれも中国で長い間、利用できてきた実績のあるサービスばかりです。
それぞれ詳細を見ていきましょう。
12vpn:中国での安定感に定評のあるVPN
価格 | 1ヶ月プラン:2,199円/月 半年プラン:1,429円/月 1年プラン:989円/月 ※当サイト限定のクーポンで30%引き |
無料お試し・返金保証期間 | 14日間 |
サーバー台数 | 非公開 |
サーバー設置国 | 31カ国 |
日本語対応 | なし 英語のみ |
同時接続台数 | 6台(同じサーバーへの同時接続は不可) |
中国でvpnサービスを使うときに、重要となるのが中国当局の規制に対する素早い対応です。
私は、10年間12vpnを使ってきましたが、問題が起こるたびにサーバーの場所を変えたり、ログインできる窓口を変えたりして、常に中国の検閲に対処しています。
中国からのアクセス専用のログインURLを設けていることからも、その気合の入れようがわかります。
問い合わせに対するレスポンスも素晴らしく、たいてい1営業日中に何らかの返信を受け取れます。
そして、同時接続台数も6台あるので、家族とも共有できます。
唯一のデメリットは、設定もサポートも英語しか対応できないことです。
ただし、そこまでシンプルな英語なので、Google Chromeの翻訳機能や、機械翻訳DeepLなどを駆使すれば、このデメリットは十分にカバーできます。
メリット | デメリット |
---|---|
中国での取り締まりに対する対応が早い サポートの対応がよい 中国専用リンクで、中国から申し込みできる 同時接続台数が6台と多い Google Chromeだと拡張機能から簡単に操作できる | サポートが英語のみの対応になっている |
- 中国からの利用をメインで考えている人
- サポートが英語でも翻訳ソフト等を使って対応できる人
▼公式サイト▼
\14日間返金保証あり/
12vpnの詳細は、以下の記事にまとめています。
30%割引になるクーポンの利用方法も書いているので、あわせてご覧ください。
ExpressVPN:高速通信でアプリの操作性に優れた世界最大手のVPN
価格 | 1ヶ月プラン:1,496円/月 1年プラン:594円/月 2年プラン:396円/月 |
無料お試し・返金保証期間 | 30日間 |
サーバー台数 | 1,300台 |
サーバー設置国 | 50カ国 |
日本語対応 | ◎ |
同時接続台数 | 8台 |
ExpressVPNも中国で使えて、純粋な通信速度で見ると12vpnよりも優れたVPNサービスです。
接続のための初期設定もアプリのダウンロード1つで簡単にできるので、登録してからすぐに使えるという点でも12vpnよりは優れているでしょう。
ただ、中国で使うという点において、唯一の懸念は中国からの接続に不安が残ることがマイナス材料です。
ネット上の口コミでも、「中国で接続できなくなった」、「中国からそもそもログインできない」という問題がたびたび指摘されています。(一方で、必ず復帰を遂げています)
VPNのスペックとしては申し分はないのですが、価格が高い点と、中国向けのサポートという点を考慮して12vpnの次点でおすすめという位置づけにしています。
メリット | デメリット |
---|---|
通信速度と安定性が優れている アプリの動作が早くて使いやすい ノーログポリシーを採用している サーバー設置国のバリエーションが豊か ビットコインでの支払いに対応している 中国からでも利用できる | 価格が他のサービスに比べるとやや高い |
- 速度と安定性を重視したい人
- 口コミや実績を重視してVPNを選びたい人
▼公式サイト▼
\30日間返金保証あり/
MillenVPN:日本企業が運営する安心感が強みのVPN
価格 | 1ヶ月プラン:1,496円/月 1年プラン:594円/月 2年プラン:396円/月 |
無料お試し・返金保証期間 | 30日間 |
サーバー台数 | 1,300台 |
サーバー設置国 | 50カ国 |
日本語対応 | すべて日本語で対応 |
同時接続台数 | 10台 |
MillenVPNは、日本の企業が提供している純日本製のVPNプロバイダです。
日本企業が運営するVPNは多数ありますが、サーバー設置国、サーバー数ともに日本のVPNの中ではトップクラスです。
契約・規約、操作マニュアルやサポートなど、すべて日本語での対応となっている日本人にとっても安心できます。
中国ではMillenVPN Native OpenConnectを利用することで、安定的なVPN接続を実現可能です。
メリット | デメリット |
---|---|
日本製の主要VPNサービスの中で最安値使える サーバー数が多い 日本語対応が充実している サービス改善を要望しやすい ノーログポリシーを採用している MillenVPN Nativeが優秀 中国からもアクセス可能 | サーバー数が海外大手VPNに比べて劣る 通信速度が海外大手VPNに比べてやや遅い 中国から安定して接続するためには、「OpenConnect」の設定が必要になる |
- 日本製のVPNサービスにしたい人
- 日本製の中でも価格を重視したい人
- 日本製の中でもサーバー設置国、設置数の多さを重視したい人
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まとめ
以上、中国でのVPN利用の違法性についての解説でした。
- 中国でのVPN利用は合法ではあるが、認可を受けていないVPNサービスの利用は違法である。しかし、中国でVPNの利用を理由に取り締まりを受けた実態はほとんど見当たらない。
- 中国のネット検閲の目的を考えると、その目的に合致しない限りはVPN利用がただちに摘発されるとは考えにくい。
- 中国でVPNを使う場合の注意点として、個人で密かに使うこと、VPNを利用して収益を得ないこと、海外のネット情報をむやみに拡散しないこと、政府に対して批判的な言動を避けること、無料VPNを使わないことが挙げられる。
- 中国での圧倒的な安定感を求めるなら ⇒ 12vpn
- 通信速度を求めるなら ⇒ ExpressVPN
- 純日本製で日本語対応の安心感を求めるなら ⇒ MillenVPN